クローガーMarketplaceはW社対策で絶好調

全米最大のスーパーマーケット企業、クローガー
4月に2012年度(2013年1月期)のアニュアル・レポート(年次報告書)を発表した。

その中で、非常に面白い報告がなされていた。
「ニールセンの調査によると、
2012年度のクローガーの予測マーケット・シェアは
19のマーケットで合計20ポイント増加した。
これら19マーケットのうち、
17のマーケットで
一番競合しているのは、
ウォルマート・スーパーセンター

さらにこの17マーケットのうち、9つのマーケットはシェアを拡大。
逆に8つのマーケットではシェアが縮小している」

マーケット・シェアを伸ばしている要因。
それは「Marketplace」フォーマットの積極展開。
kroger-marketplace
マーケットプレイスは
非食品強化型のスーパーマーケット。
「ウォルマート対策」の店づくりである。

クローガーは1998年にハイパーマーケットのフレッド・マイヤーを買収した。
ハイパーマーケットとは、日本でいう総合スーパーのこと。

ウォルマートのスーパーセンターは、ハイパーマーケットの業態ジャンルに入る。

ウォルマートが生鮮とグロサリー強化をはかる一方で、
クローガーはフレッドマイヤーから、
ハイパーマーケットのノウハウを吸収したのだ。

つまり非食品分野のマーチャンダイジングとオペレーション、
もろもろを吸収した。

その成果として、2004年オハイオ州コロンバスに
初の
マーケットプレイス店舗をオープン。

店舗面積12万5000ft2(約1万1610m2)には、
生鮮、グロサリー、ファーマシー、アウトドア用品、
家電、雑貨、おもちゃなど、
ハイパーマーケット並みの品ぞろえをした。

現在はこのフォーマットはさらに進化し、
コーヒーショップ、銀行、宝石、
アパレル、ベビー服、家具まで取りそろえる。

4月現在、クローガーはマーケットプレイス78店舗を展開中。
既存店舗をマーケットプレイス型に改装するなどして、
さらに店舗網を拡大中である。

商人舎は競争対策として、
独自のポジショニングを確立し、
それをアウトスタンディングにすることを第一に掲げている。

しかし第二に、現実的に、
敵の強みを「削ぐ」、つまり相手の長所を弱める作戦を提唱している。

クローガーのこのマーケットプレイスこそ、
対ウォルマートの第二の作戦だ。

おなじことはテキサス州のHEBも実行している。
HEBプラスの開発と展開がそれだ。

ここで面白いのは、
第二の作戦は、第一の作戦ほどに、
アウトスタンディングでなくともよいという現象。

これは結城義晴の観察。

面白い。

とは言っても第一、第二の戦略ともに、
自分の顧客のほうを向いていなければならないことは、
大前提であるけれど。

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