ニトリ「Aki-Home」で米国に初出店
日本のホームファッションNo.1企業、ニトリホールディングスがアメリカに初出店。
来月19日、西海岸のカリフォルニア州に2店舗を同時オープンする。
南カリフォルニア地区はアメリカ西海岸の経済・文化の中心地。西海岸で最も人口が多く、人口増加率も高い。人々の生活が豊かで、家具・ホームファッションのマーケットとして有望と見込んでの出店だ。
アメリカでは「ニトリ」という名称は用いず、「Aki-Home」という店舗ブランドで展開する。もちろん、「Aki」とは似鳥昭雄社長の名前に由来。
今回オープンする2店舗はロサンゼルス郊外のフラートンとタスティンにある。店舗名は「Aki-Home Fullerton」と「Aki-Home Tustin」。
Aki-Homeのウェブサイト。コンテンツは作成中だ。人材も募集している。
さて、Aki-Homeのウェブサイトでは、顧客に期待を超えるものを提供するとしている。
1. 期待を超える「利便性」
ワンストップショッピングで日常の家庭の装飾ニーズに応える。
2. 期待を超える「製品」
「形態は機能にしたがう」というポリシーのもと、シンプルでスタイリッシュな日本のモダンデザインで訴求する。
3. 期待を超える「価格」
顧客それぞれの予算内で価値ある素晴らしい商品を提供する。
4. 期待を超える「サービス」
わが家に迎え入れるように買物客をもてなす。
取り扱うジャンルは、リビング、ダイニング、ベッドルーム、バス、キッチン、インテリア装飾、ラグ・カーペット、カーテン・ブラインド、オフィス家具、倉庫・収納、ランドリーなど。日本と変わらない商品群だ。
フラートンの店舗は563坪、タスティンは843坪。「家庭に必要な商品が全部揃うくらい十分に広いが、商品を探すのにフロアマップが必要なほど大きくはない」とウェブサイトでは謳う。
ニトリHDは昨年、カリフォルニア州に100%出資の現地法人「Nitori USA, Inc.」を設立し、出店の準備を進めてきた。
ニトリHDは2013年2月期末で国内286店舗、海外は台湾に14店舗、計300店舗を展開する。台湾以外への海外進出は、今回のアメリカが初めてとなる。
ニトリHDはもともと、アメリカのホームファッション・チェーン「ベッド・バス&ビヨンド」をベンチマークし、学習して成長してきた。
そのベッド・バス&ビヨンドは2013年3月期末で1471店舗を展開。そのほとんどはアメリカ本土だが、プエルトリコやカナダ、メキシコにも店舗がある。
同期末決算は、売上高109億1458万ドル(約1兆0914億円、1ドル100円換算)で、既存店売上高の伸び率は前年同期比2.7%。売上総利益は43億8875万ドル(約4389億円)、営業利益は16億3821万ドル(約1638億円)で、当期純利益は10億3778万ドル(約1038億円)。
一方、ニトリHDの2013年2月期の売上高は3487億8900万円、売上総利益1926億1600万円、営業利益615億5000万円、経常利益621億9500万円、当期純利益358億1100万円。
売上高などの経営規模ではニトリHDの3倍強もあるベッド・バス&ビヨンド。 その本拠地アメリカへの進出。
「日本のそして世界の人々の暮らしを豊かにするという弊社のロマンを実現する」
プレスリリースにある1文だ。
ニトリHDは世界に通用するブランドを目指し、今後も海外展開を積極化する。
同社のロマンは、そのビジネスの源流であるアメリカで成功することで果たされる。
アメリカのホーム・ファッション・チェーンは、589店展開してたリネン&シングスが2008年5月に連邦破産法11条を適用申請し、その年10月に廃業して、ベッド・バス&ビヨンドの独壇場。そこにAki-Homeのニトリが入っていくわけだが、リネン&シングスの敗退という厳しい競争も厳然として存在する。
敗退の理由は、ウォルマート・スーパーセンターやターゲット、コストコなど総合ストアとの競争にさらされたためである。
ニトリはベッド・バス&ビヨンドだけでなく、本場のウォルマート、ターゲット、コストコと闘うことになる。
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