ウォルマートnews|子会社コード・エイトで「キャッシャーのいない店」実験
ウォルマートが「Amazon Go」に挑戦状をたたきつけた。
その主役は「コード・エイト」(Code Eight)という子会社だ。このコード・エイトが、最近、パーソナルショッパーサービスを始めた。いまのところニューヨーク限定。ターゲットはミレニアル世代の、若い富裕層の母親。
つまりこれまでのウォルマートとは全く異なる顧客を狙う。注文された必需品(コモディティグッズ)は24時間以内、それ以外のノンコモディティグッズは2日以内に無料配達される。返品もOK。無料で引き取ってくれる。
このウォルマートの子会社コード・エイトは今年初め、「ストア・ナンバーエイト」(Store No.8)をオープンさせている。「コード・エイトの店」というネーミングだ。位置づけは「テクノロジー・インキュベーター」。つまり新しい技術の孵化器となる店である。
このStore No.8では「プロジェクト・ケプラー」(Project Kepler)と呼ぶ店舗開発を進める。それが「キャッシャーのいない店」。まるでAmazon Goのような店。
ただしウォルマートの表現は「キャッシャーのいない店」(a store with no cashiers)で、アマゾンは「レジのない店」(No Lines, No Checkout)。ウォルマートでは世界中で240万人のアソシエートが働く。そしてその多くがチェックアウトで勤務している。つまりウォルマートは、技術を備えた店舗のキャッシャーの必要性を潜在的に排除するシステムを構想している。Amazonが「レジという機能のない店」と表現しているのとは対照的だ。
この「ノン・キャッシャー・システム」は既存の店舗を改装して導入するのではない。新しいタイプの店舗で使用する。そしてこのプロジェクトは、「未来の小売店舗」(フューチャーストア)が、どのようなものになるかという点に焦点を当てている。
このプロジェクトは、マイク・ハンラハンがリードしている。ハンラハンはウォルマートが買収した「ジェット・コム」の共同創業者で、元最高技術責任者(CTO)。ウォルマートはジェット・コムの創業者マーク・ロアを会社ごとスカウトして、ウォルマート・ドットコムのトップに据えた。そしてその相棒のハンラハンを「プロジェクト・ケプラー」の責任者にした。オフィスはジェット・コムの本拠地ニュージャージー州ホーボーケンにある。
マーク・ロア、マイク・ハンラハン、eベイからスカウトしたジェレミー・キング。ウォルマートのオンラインビジネスはITの申し子のような若い世代が推進している。
検索ワード:ウォルマート Code Eight Project Kepler ノン・キャッシャー・システム