イオンnews|10月既存店はGMS・スーパーマーケット好調/モールも回復基調
イオン(株)(千葉市美浜区、吉田昭夫社長)が主要12社の10月度の業績を発表した。
10月は、コロナ禍で生まれた需要の取り込みに継続して取り組んだことに加え、2019年の消費税増税後の落ち込みの反動増もプラスに作用し、多くのグループ各社において既存店売上高が前年を越えた。ただし9月・10月の合算の連結営業収益は、ほぼ前年並みの水準だ。
主力の総合スーパー(GMS)事業のイオンリテール(株)は、既存店売上高前年比が106.5%と伸長した。気温の低下や家ナカ需要への対応により、衣料品や除湿器・空気清浄機・暖房などの家電製品、卓上鍋、土鍋などの季節商品の売上げが伸びた。また、190店舗で店舗受け取りサービスができるようになったネットスーパーの売上高および受注件数は、前年比で約3割も増加。
イオン北海道(株)の既存店は105.1%、イオン九州(株)は108.1%。
スーパーマーケット(SM)事業ではマックスバリュ東海(株)の既存店売上高が102.8%、マックスバリュ西日本(株)の既存店は106.4%。(株)マルエツ、(株)カスミ、マックスバリュ関東(株)の首都圏3社で構成されるユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(株)の既存店売上高は103.6%。
GMS事業の食品とSM事業各社は、引き続き前年を上回る好調さを維持している。
ドラッグストアのウエルシアホールディングス(株)は、既存店売上高が110.5%。マスクやアルコール消毒用品などの感染対策商品の需要が継続している。
専門店事業の(株)コックスの既存店売上高は102.4%。秋冬商品や家ナカ需要に対応しルームウェアが好調に推移したことに加え、“極上の肌触り”を実現した「ふわマスク」を10月1日から新たに発売するなど、拡大し続けるマスク需要にも積極的に取り組んで増益だ。
一方、苦戦しているのはミニストップ(株)で、既存店は91.1%。
靴専門店の(株)ジーフットも既存店売上高は95.3%だが、回復傾向にある。
(株)イオンファンタジーも既存店売上高前年比は98.8%となり、ほぼ前年水準にまで回復した。高いレベルの防疫対策を実践していることに加え、お客自身による防疫習慣が恒常化してきたことから、客数が回復した。
ディベロッパー事業のイオンモール(株)は、気温の低下と販促企画が奏功し、衣料品専門店の既存店売上高が前月に対して二桁増加し、前年実績を上回るまで改善した。また、シネマ事業とのコラボ販促が奏功し、飲食テナント売上げも大きく回復している。
総合金融事業は、カードショッピング取り扱い高が前年比107.6%と、今年度で最も高い伸びとなった。「ときめきポイント10倍キャンペーン」などの施策により物販の取り扱い高が好調だったことに加え、「Go To キャンペーン」の影響からサービス、交通・旅行の取り扱い高も回復傾向となった。