ライフnews|農産品・日配食品寄贈モデルの実証実験、1カ月寄贈実現率63%
(株)ライフコーポレーション(東京都品川区、岩崎高治社長)は、こどもの機会格差の解消を目指すネッスー(株)(東京都世田谷区、木戸優起代表)、一般社団法人サスティナブルフードチェーン協議会(東京都千代田区、小林富雄代表理事)と連携して実施中の、農産品(野菜・果物)・日配食品寄贈モデルの実証実験について、中間成果を発表した。
この実証実験は環境省の「令和5年度 食品の消費行動に伴う食品ロス削減対策導入モデル事業」の採択事業として実施している。小売店で賞味期限・消費期限が短いといった理由で販売できなくなった農産品(野菜・果物)・日配食品を、支援を必要としているこども食堂等の団体やひとり親世帯などに寄贈する方法を確立し、食品ロスとこどもの貧困という2つの社会課題の解決を同時に目指すもの。
実証実験は足立区内の「ライフ扇大橋駅前店」で行われている。
通常運営時には廃棄されている商品の中から、ライフの店舗スタッフが寄贈できるものを選別し、受け渡しの冷蔵庫に格納する。受け取り参加の団体・個人は、専用のマッチングサイトから商品を選択し、付与されるポイントを使って決済する(無償)。そしてその日中に店舗の受け渡し冷蔵庫から自分が選択した商品を持ち帰る。
実証実験開始から1カ月で、農産品(野菜・果物)約78kg(402点)、日配食品約37kg(169点)の合計約115kg(571点)の食品を寄贈した。寄贈対象となった商品の1カ月平均の寄贈実現率は約63%であり、とくに個人世帯では週3回の利用や1回あたり20品目以上の活用事例もあり、実証実験開始時点から向上している。
本実証実験が事業化した際には、1店舗あたりの参加世帯数・団体数を増やすことで、寄贈対象商品の80%を寄贈に回すことができると見込む。
これによって、店舗で排出される食品ロスの約8割を占める農産品(野菜・果物)・日配食品を廃棄することなく、こども支援に活用でき、この活用によって、約30万トン(小売店での食品ロス発生量49 万トン×農産品・日配食品の割合 80%×寄贈実現率 80%)の食品ロス削減ポテンシャルがあるとみている。
今後は実証実験で得られたノウハウをもとに、ネッスーやサスティナブルフードチェーン協議会と連携し、対象品目の拡大や全国展開、他スーパーでの実施を目指す。また、自治体との連携による持続可能な仕組みづくりも進めていく考えだ。