アスクルnews|第3Q売上高9.3%増も配送運賃値上げで増収減益
アスクル(株)(東京都江東区、岩田彰一郎社長)は、2019年5月期第3四半期の連結業績を発表した。
売上高2885億0800万円(前年同期比9.3%増)、営業利益24億3100万円(38.2%減)、経常利益23億2200万円(37.5%減)、純利益11億1500万円(76.0%減)で増収減益だ。純利益の大幅な減益は、前年に火災損失引当金戻入額68億4600万円を計上したことがその要因である。
営業利益率、経常利益率ともに0.8%。
eコマース事業全体の売上高は2837億4400万円(9.8%増)。
そのうち主力のBtoB事業の売上高は2344億0900万円(5.0%増)。ビッグデータを活用した効率的・効果的な販促とWEBサイト上の検索機能の改善を進めた結果、購入点数・単価ともに増加した。
BtoC事業の売上高は493億3400万円(39.9%増)。その中で「LOHACO」は火災から復活したことで、売上高388億9500万円(33.3%増)と成長路線に転じている。また、子会社化した(株)チャームの連結効果も寄与した。
「LOHACO」は、収益改善のために「独自価値商品拡大」「マーケットプレイス等のフィー収入拡大」へと経営資源のシフトを図るとともに、物流費では「配送バー改定」と配送原価低減策を実行した。
配送バー改定は、2019年1月10日に、基本配送料が無料となる注文金額を1900円以上(税込、以下同じ)から3240円以上に改定、2月4日には「LOHACO Yahoo!ショッピング店」でも、基本配送料が無料となる注文金額を3240円以上から3780円以上に改定した。これにより、1箱当たり売上高が上昇した結果、売上高配送費比率は改善している。
一方、販売費および一般管理費は、大手配送会社からの段階的な値上げを受け入れたことで、配送運賃が大幅に増えた。これが主な営業利益の減少要因となっている。しかし、物流センター内の生産性が「ASKUL Logi Park首都圏」火災以前の水準にまで順調に改善していることから、利益水準は前年同四半期並みに回復している。