J.フロントnews|’18決算は年商4598億円の2%減収/17.5%減益
J.フロントリテイング(株)(東京都中央区、山本良一社長)は、2019年2月期(2018年3月1日~2019年2月28日)の連結決算を発表した。同社は国際会計基準(IFRS)に則って決算発表をしている。
その連結の売上収益は4598億4000万円(前期比2.1%減)、営業利益408億9100万円(17.5%減)、当期純利益は273億5800万円(4.0%減)と、減収減益だった。
それでも営業利益率は8.9%。
4つの事業別に見てみよう。
⑴大丸や松坂屋の百貨店事業
2018年度は相次ぐ自然災害が発生したため、営業時間の短縮や臨時休業を余儀なくされた。さらに衣料品販売が苦戦した。これらが影響して、売上収益は2754億4100万円、0.4%の微増にとどまった。
前年の固定資産売却益の反動減、大丸心斎橋店再開発に伴う減価償却費のほか、POSレジの更新、空調・昇降機など店舗設備に関する投資、将来の成長に向けた先行投資に伴う販売費及び一般管理費の増加によって、営業利益は9.2%減の241億9400万円だった。
⑵パルコ事業
専門店事業において不採算店舗の閉鎖を進めた。それに加え、衣料品販売や地方・郊外店が苦戦した。結果、売上収益は1.8%減の899億6900万円となった。営業利益は、売上収益減少に伴う売上総利益の減少に加えて、宇都宮パルコ(2019年5月31日閉店予定)、熊本パルコ(2920年2月29日閉店予定)の2店舗の閉店に伴う損失を計上したため、53.7%減の54億4500万円となった。
⑶不動産事業
売上収益は26.6%増の169億9500万円、営業利益は12.9%増の46億6400万円と、変わらず好調だ。なんといっても2017年度に開業したGINZA SIX(ギンザ シックス)や上野フロンティアタワーが順調に推移して、年度を通じて業績向上に寄与したことが大きい。モノを販売する店舗集積のファッションビルよりも、街づくりや空間づくり、そしてプロモーションによる集客で、テナントにメリットを生み出すビジネスがJフロントの新しいベクトルをつくり出した。
⑷クレジット金融事業
加盟店手数料収入や割賦販売利息収入などが増加して、売上収益は3.9%増の105億7300万円だった。しかし営業利益は、発行済みカードの更新費用や支払い手数料が増加したことに加えて、専門人材の採用などの先行投資による経費が増加したため、13.9%減の23億6000万円だった。
2020年2月期の連結売上高は5000億円、連結営業利益は495億円を予想している。