ファーストリテイリングnews|第3Q売上収益1.7兆円10%増とも計画届かず
(株)ファーストリテイリング(山口県山口市、柳井正会長兼社長)が発表した2021年8月期第3四半期の連結業績は大幅な増収増益となった。しかし計画値に対しては大幅に下回っている。
売上収益は1兆6980億8200万円(前年同期比9.9%増)、営業利益が2278億9700万円(72.1%増)と大幅な増収増益。営業利益率は13.4%。税引前四半期利益は2456億円(前期比72.5%増)、四半期利益は1513億円(67.0%増)。
第3四半期の3~5月は、新型コロナの影響を大きく受けた前年から、すべての事業の業績が回復して大幅な増収増益を達成。ただし国内ユニクロ事業、ジーユー事業の業績が下回って計画に対しては未達だった。
国内ユニクロ事業の3~5月の売上収益は1825億円、前年同期比35.0%増、営業利益は216億円、同187.3%増と、前年の反動から大幅な増収増益。
Uniqlo UのTシャツ、感動パンツ、ラウンジウエアなど販売が好調だった。EC売上高も増収と順調に拡大した。3月12日から消費税の総額表示対応で、商品本体価格を、そのまま消費税込みの価格としたが、原価改善を進めた結果、3~5月の売上総利益率は、0.5ポイントの低下にとどまった。ただし、新型コロナウイルス感染症の影響が想定以上に大きかったことに加えて、商品の新しさやニュース性を顧客に伝えきれなかったことで販売に苦戦し、計画を下回った。9~5月までの売上収益は6751億円(前年同期比12.7%増)、営業利益は1195億円(51.0%増)。
海外ユニクロ事業の3~5月は、売上収益が2177億円、前年同期比64.6%増、営業利益は307億円。前年14億円の赤字から黒字化した。
グレーターチャイナは大幅な増収増益。韓国は粗利率、経費比率の改善で黒字化。その他アジア・オセアニア地区は大幅な増収となって黒字化。北米、欧州は大幅な増収、赤字幅は大幅に縮小した。グレーターチャイナの業績が計画を下回るも、北米、欧州などの収益性が改善し、営業利益は計画通りに推移した。9~5月の売上収益は7396億円(前年比9.8%増)、営業利益は977億円(88.7%増)。
ジーユー事業の3~5月の売上収益は681億円、前年同期比23.5%増、営業利益は84億円、同81.5%増。緊急事態宣言の影響や、一部商品がトレンドを捉え切れず、販売に苦戦して、計画を大幅に下回った。9~5月の売上収益は2008億円(前年比7.1%増)、営業利益は243億円(18.9%増)。
グローバルブランド事業の3~5月の売上収益は260億円、前年同期比96.4%増、営業赤字は7億円。前年同期67億円の赤字から、赤字幅は狭まった。ただし新型コロナの影響が想定以上で、計画を若干下回った。
セオリー事業は大幅な増収となり、黒字化。コントワー・デ・コトニエ事業も大幅な増収で、赤字幅は若干縮小した。9~5月の売上収益は805億円(3.3%減)、営業赤字は89億円、前年は60億円の赤字。
2021年8月期の業績予想では、売上収益は600億円、営業利益は100億円の減額修正を行い、売上収益2兆1500億円(前期比7.0%増)、営業利益2450億円(64.0%増)、当期利益1650億円(82.6%増)を見込んでいる。