平和堂news|営業収益4254億円2.3%増・経常145億円10.8%増
(株)平和堂(滋賀県彦根市、平松正嗣社長)が2023年2月期決算は連結営業収益4254億2400万円(対前年増減率2.3%増)、営業利益132億5700万円(17.5%増)、経常利益144億8200万円(10.8%増)、純利益75億1600万円(9.7%減)。
営業利益率は3.2%(2.7%)、経常利益率は3.4%(3.1%)。( )は前年数値。
小売事業の営業収益は4026億3600万円(2.0%増)、経常利益は131億6400万円(2.9%増)となった。中核である(株)平和堂は、食品の堅調な販売と外出需要の回復により旅行代理店収入およびテナント不動産賃貸収入が回復し、増収となった。販売管理費について、人件費は生産性改善の取り組みの効果により1人当たりの賃金上昇と総労働時間縮小を実現させた。
また、広告媒体を紙から、スマートフォンアプリ活用により効率的な施策が打ち出せて増益となった。2024年1月1日に発生した能登半島地震に伴う営業縮小による営業収益低下は軽微であったものの当該災害に起因する特別損失の計上額は11億0200万円になった。加えて、翌期以降にスクラップ&ビルドによる閉店が決定したことと遊休地評価の見直しにより、特別損失を38億9300万円計上したため、当期純利益は減益となった。
新規出店は、9月に小商圏戦略店舗として、フレンドマートスマート茨木サニータウン店(大阪府茨木市 売場面積636㎡)を開設した。11月にはDCMホールディングス(株)が運営するホームセンター「DCM 元塩店」の1階に平和堂名古屋元塩店(愛知県名古屋市 売場面積1280㎡)を開設した。また、既存店活性化として、4月にはアル・プラザ草津(滋賀県草津市)、9月にはアル・プラザベル(福井県福井市)、10月にはフレンドマート開発店(福井県福井市)とビバシティ平和堂(滋賀県彦根市)で売場改装を実施した。
商圏特性に合わせた品揃えや売場展開の変更、大型テナントを導入する一方で、直営非食品売場面積の適正化を図った。「食」「衣料」「雑貨」を中心にしたライフスタイル提案売場に再編することで三世代が集う地域交流の場として、暮らし全般のサポート提案を打ち出した。その結果、子育て世代の客数も増加し、30~40代の客数構成比は2%アップした。
商品別売上状況は食料品2984億8700万円(対前年増減率3.1%増/構成比79.1%)、衣料品250億3400万円(1.3%減/6.6%)、住関連品(1.0%減/9.6%)。
京都府で総合小売業を展開する(株)エールは、食品販売が好調に推移したが、翌期に完成する改装工事が一部先行開業したことによる一時費用の発生により増収減益となった。滋賀県でスーパーマーケットを展開する(株)丸善は、前期に不採算店舗を閉店したことにより減収・黒字に転じた。
中国湖南省で小売事業を展開する平和堂(中国)有限公司は、前期に閉店した東塘店と6月末に閉店した株洲店の営業縮小により減収したが、不採算店舗の販売管理費が削減されたことで増益となった。
全体での設備投資額は234億1500万円(前期比59億円増)。主な投資は店舗新設50億円、店舗改修58億円、システム投資45億円となっている。