ファストリnews|「年商3兆円超」の12.2%増・営業利益31.4%増

(株)ファーストリテイリング(山口県山口市、柳井正社長)が2024年8月期の本決算を発表した。同社は、国際財務報告基準(International Financial Reporting Standards:IFRS)を採用している。

2023年9月1日~2024年8月31日の連結業績は、売上収益3兆1038億3600万円(前期比12.2%増)、営業利益5009億0400万円(31.4%増)と大幅な増収増益となり、過去最高の業績を達成した。

税引前利益は5572億0100万円(27.2%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は3719億9900万円(25.6%増)となった。

売上収益に対する営業利益率は16.1%。

国内ユニクロ事業は、売上収益が9322億円(4.7%増)、営業利益が1558億円(32.2%増)と、増収、大幅な増収を達成し、過去最高の業績となった。既存店売上高(eコマースを含む)は通期で3.2%の増収となった。

上期は暖冬の影響を受け、前年同期比3.4%の減収となった。一方、下期は気温が高かったことに加え、シーズン末まで夏物コア商品の在庫を戦略的にもってマーケティングを強化したことで、顧客の需要を取り込むことができ、11.7%の大幅な増収となった。また、世界中でユニクロの知名度が高まっていることで、インバウンド販売も好調で増収に寄与した。

売上高総利益率は、前期比2.9ポイント改善した。これは売上げ動向に応じた発注のコントロールにより、スポット為替レートの影響が低減し、原価率が改善したことと、下期の値引率が改善したことによる。売上高販管費率は、増収となったことで人件費比率や広告宣伝費比率が低下し、前期比0.5ポイント改善した。

海外ユニクロ事業は、売上収益が1兆7118億円(19.1%増)、営業利益が2834億円(24.9%増)。大幅な増収増益で、過去最高の業績を達成した。北米、欧州の営業利益率が大幅に改善し、すべての地域で営業利益率は15%以上の水準となった。

グレーターチャイナは、売上収益が6770億円(9.2%増)、営業利益が1048億円(0.5%増)と、増収、若干の増益となった。現地通貨ベースでは、増収、減益だった。上期は好調に推移したが、下期は前年のハードルが高かったことや天候不順、地域の顧客のニーズに合った商品構成が不十分だったことで、販売に苦戦し、減収、大幅な減益となった。台湾は増収増益だった。

韓国と東南アジア・インド・豪州地区は、売上収益が5405億円(20.2%増)、営業利益が976億円(24.8%増)と、大幅な増収増益となった。韓国は増収増益。東南アジア・インド・豪州地区はヒートテック、フリース、ブラトップ、UVカットパーカなどの販売が好調で、大幅な増収増益となった。

北米は、売上収益が2177億円(32.8%増)、営業利益が348億円(65.1%増)と大幅な増収増益だった。コア商品を中心に、継続的な情報発信を行ったことで、既存店売上高は大幅な増収となった。

欧州は、売上収益が2765億円(44.5%増)、営業利益が465億円(70.1%増)と、大幅な増収増益となった。新店の販売が非常に好調だったことに加え、既存店売上高も2桁の大幅な増収を達成した。

ジーユー事業は、売上収益が3191億円(8.1%増)、営業利益が337億円(28.9%増)と大幅な増収増益となった。ヘビーウェイトスウェット、スウェT、バレルレッグジーンズなど、グローバルのマストレンドを捉えた商品の販売が好調で、既存店売上高は増収となった。インバウンド販売も好調で、増収に寄与した。また、原価改善の取り組みにより、粗利益率が改善したことで、大幅な増益となった。

グローバルブランド事業は、売上収益が1388億円(2.0%減)、売上収益から売上原価と販管費を控除して算出する事業そのものの利益である事業利益は1億円(76.2%減)となった。これは、プラステ事業とコントワー・デ・コトニエ事業で事業構造改革により店舗数が減少したこと、セオリー事業が販売に苦戦したことによる。営業利益は6億円(前期は30億円の赤字)と黒字化したが、これは前期に閉店に伴う減損損失が発生したため。セオリー事業は、米国事業の販売が伸び悩んだことに加え、アジア事業も販売に苦戦し、現地通貨ベースでは減収となった。プラステ事業は、店舗数の減少により大幅な減収となったが、既存店売上高は回復している。値引きに頼らない商売に転換しつつあることで、粗利益率が大幅に改善し、営業利益は黒字化した。コントワー・デ・コトニエ事業は、店舗数の減少により大幅な減収となったが、事業構造改革による経費構造の改善により、赤字幅は縮小した。

2025年8月期の連結業績は、売上収益3兆4000億円(9.5%増)、営業利益5300億円(5.8%増)、税引前利益5850億円(5.0%増)、当期利益3850億円(3.5%増)を見込む。

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