イオン九州news|第2Q営業収益2718億円3.7%増・経常利益74.8%増
イオン九州(株)(福岡市博多区、中川伊正社長が 2026年2月期の第2四半期決算を発表した。
3月1日~8月31日の連結業績は、営業収益2717億7300万円(前年同期比3.7%増)、営業利益40億2800万円(42.9%増)、経常利益51億7700万円(74.8%増)、中間純利益35億9500万円(80.2%増)と、増収、大幅増益だった。
営業利益率は1.5%、経常利益率は1.9%。
8月に九州北部地方を中心とした大雨による影響により一部店舗の臨時休業や物流面で影響はあったものの、期間を通して売上げ構成比の高い食料品の売上げが堅調に推移した。食料品を中心とした物価高騰が家計を圧迫するなかで価格対応が遅れた衣料品の売上げは伸び悩んだ。一方、食料品については、「しあわせプラス(応援価格)」をはじめとする生活応援施策の品目数拡大や取引先と連携したオリジナル商品の展開、「トップバリュベストプライス」の展開強化など、値ごろ感を重視した訴求の強化や名物催事企画の取り組み強化により、既存店の食料品売上高は前年同期比105.7%となった。
販売促進面では、イオングループの公式トータルアプリ「iAEON」の新規会員獲得、アプリクーポン企画等の販促施策強化により需要喚起に努めた。これらの取り組みにより、既存店の売上高は前年同期比104.1%と伸長した。
営業総利益においては、物価高騰のなかで戦略的に生活応援施策を強化した食料品の売上げが大きく伸長したことで売上げ総利益は前年同期比103.2%となった。また、猛暑対策としての「クールスポット」の展開拡大や夏休み期間のお楽しみイベントなど、ショッピングセンター(SC)全体の集客に努め、その他の営業収入が前年同期比101.9%となったことで、営業総利益は前年同期比103.0%となった。
8店舗の新規出店、7店舗のリニューアルなど、今後の成長に向けた先行投資に加え、3年連続となる大幅な賃上げの実施、iAEONアプリの新規会員獲得及び利用拡大を図るための販促施策強化を実施した。一方で、セルフレジや電子棚札などのDX投資や省力化什器の積極的な導入による効果創出に努め、サービスレベルを上げながら同時に店舗の総人時が低減できたことで、人時生産性は前年同期比106.9%と大きく改善し、当中間期における販売費及び一般管理費は前年同期比101.5%となった。
同社は7月1日付で(株)ジョイフルサンアルファの全株式を取得し、社名を「株式会社ジョイフルサン」に変更のうえ子会社化しているが、当中間期においては重要性が乏しいため非連結子会社としている。
ECサイト「イオン九州オンライン」において、大型セールスにあわせた予約会を3月と8月に実施したことや酒ギフトの販売を開始したことで、売上げは前年同期比118.4%と伸長した。オフィス向けキャッシュレス無人店舗「スマートNICO」は、企業の事業所や大学、医療介護施設にも拡大し、8月末時点で計43カ所になった。「Uber Eats」「Wolt」を利用した商品配達サービス導入店舗数は計134店となった。
「決済」「ポイント」「クーポン」「お得な情報」が1つのアプリで完結できるイオングループの公式トータルアプリ「iAEON」の新規会員獲得とアプリクーポンを活用した販促施策の強化に取り組んだ。会員数は前期末から24万人増加し108万人を超えた。
オーガニック商品をはじめ、環境とからだに優しい商品を集めた同社独自の新たなショップ「b!olala(ビオララ)」については、総合スーパー(GMS)3店舗でコーナー展開していたが、4月に他社商業施設への初めての出店となる「ワン・フクオカ・ビルディング店」(福岡市中央区)をオープンした。当該店舗では、新たに発酵をテーマにした惣菜店を導入したほか、天然酵母による発酵ベーカリーなど、こだわりの発酵食品の品揃えに取り組み、一部商品については既存店への導入も進めた。
NB商品を期間限定で価格訴求する「しあわせプラス(応援価格)」対象商品の既存店売上高は前年同期比118.8%、イオンのPB「トップバリュ」は同114.7%となった。
昨年から続いた米の品薄・価格高騰への対応として、イオンの全国物流ネットワークを活かして安定供給に努めたほか、4月には米国産米と国産米をブレンドしたブレンド米を販売、8月には、米国産カルローズ米や随意契約でイオングループが調達した政府備蓄米の販売を行うなど、さまざまな取り組みを通して手に取りやすい価格で提供できるよう努めた。ニーズが拡大しているデリカ・冷凍食品では、5月から食卓応援策として、冷凍米飯・弁当冷食・アイスクリームを豊富に取り揃えた「毎月20日はフローズンの日」をスタートさせた。
当中間連結会計期間において、重点出店エリアと位置付けている福岡県内に「ウエルシアプラス」3店舗、福岡市内に「マックスバリュエクスプレス」4店舗を出店した。4月に福岡市中央区に開業した他社の商業施設内に「オーガニック」「ナチュラル」「ヘルス&ウェルネス」「サステナビリティ」をコンセプトにした新たなショップ「b!olala(ビオララ)」を出店し、計8店舗を出店した。一方で、4店舗を閉鎖した。8月末時点の店舗数は344店。
通期は、営業収益5510億円(3.6%増)、営業利益106億円(0.6%増)、経常利益101億円(8.4%減)、当期純利益53億円(12.2%減)を見込む。