イオンnews|第2Q営業収益5兆1900億円・経常利益1065億円/共に過去最高

イオン(株)(千葉県千葉市、吉田昭夫社長)の2026年2月期第2四半期決算は、営業収益5兆1899億7000万円(前年同期比3.8%増)、営業利益1181億2900万円(19.8%増)、経常利益1064億6800万円(18.5%増)。中間純利益は40億4800万円(9.1%増)となった。

営業利益率2.3%(2.0%)、経常利益率2.1%(1.8%)。( )は前年数値。

営業収益は5兆円を突破し、5期連続で過去最高を記録。また、営業利益、経常利益など各段階の利益で過去最高を更新。「トップバリュ」の拡販や猛暑下ではイオンモールを始めとしたグループ資産を活用したさまざまな涼感提案が奏功し増収となった。また、顧客ニーズに対応した価格戦略や店舗DXを通じた人時生産性の向上、経費構造改革により収益性改善につなげた。

吉田昭夫社長は「足元の消費環境は、消費者物価が上がり、実質賃金がマイナスになっている。消費の二極化といわれたが、直近のお盆は節約、安近短の消費行動が見られた。推し活という言葉があるように、気楽に満喫できる余暇にシフトしている」と振り返った。

下期はブラックフライデー、年末年始商戦の大型商戦などイオングループが最も稼ぐ時期となる。12月1日付けでウエルシアホールディングスとツルハとの経営統合が予定されているが、通期業績は営業収益10兆5000億円、営業利益2700億円、経常利益2500億円と期初予想から変えておらず、織り込んでいない。

営業収益は全てのセグメントで増収となった。営業利益はGMSが営業損失額を大幅に縮小。SM、ヘルス&ウエルネス、ディベロッパー、サービス・専門店の4事業はいずれも2けた増益となり、過去最高益に寄与した。

プライベートブランドのトップバリュは全セグメントで伸びて、11.7%増となった。

セグメント別では、GMSは店舗DXによる人時生産性向上や経費構造改革の進展が奏功し、営業損失を大幅に改善。法人別では、イオンリテール、イオン九州、キャンドゥ等が損益改善に貢献した。好調な食品に加え、専門店化をはじめとした非食品分野の強化を継続した。

特にイオンリテールはインフレに対応した価格戦略の強化と経費構造改革の進展により増収、営業損失を大幅に縮小した。カンパニー体制を6エリアから4エリアに再編して、人員再配置で経営効率化を推進、現場力を強化。また、非食品セルフレジ導入やAIオーダーの対象拡大などにより人時生産性を向上させた。

 

SMは営業利益は前年同期比2けた増益の129億円。トップバリュ拡販、Key Value Itemの価格訴求や経費構造改革、DXによる人時生産性向上が貢献した。まいばすけっとは1262店舗(8月末現在)まで拡大した。

DSはトップバリュやDS専用PBの拡販等による価格訴求で既存店売上高、客数は堅調に推移した。前年同期比106.3%の増収も成長投資に伴う一時的なコスト増等により営業利益は減少した。

ヘルス&ウエルネスは食品がけん引した物販、処方せん受付枚数が堅調に増加した調剤ともに好調に推移し増収となった。PBの拡販や店舗オペレーションの効率化により収益性を向上し、2けた増益となった。

総合金融事業は各種取扱高や債権残高の拡大などで増収も、マレー圏での債権残高拡大に伴う費用増により営業利益は微減となった。AEON Pay会員数は期首から132万人増の948万人と堅調に拡大した。また、AI等のデジタル技術を活用した与信精緻化や債権回収体制の強化を推進した。

ディベロッパーは、イオンモールが増収増益。営業収益、営業利益、経常利益が過去最高を更新した。商業施設の活性化や猛暑下の涼感スポットとしての集客施策が奏功した。インバウンドによる免税売上高も前年同期比約1.5倍になった。海外は中国・アセアン各国で専門店売上は堅調に推移し、歩合賃料収入増で増収増益となった。

サービス・専門店はイオンディライトが施設管理業務の新規受託や省エネ関連工事等、各種改装工事の受注拡大で営業増益。イオンエンターテイメントは映画のヒット作品による動員数増で営業利益は大幅拡大した。イオンファンタジーは猛暑下で屋内遊戯施設の需要増、キッズプライズ部門等が好調に推移し、増収増益となった。

国際事業はイオンマレーシアが販促・催事施策などにより増収したが、成長投資や店舗活性化に伴う費用が増加し、営業利益は横ばいとなった。イオンベトナムは堅調な経済成長を背景に売上高が既存店、新店ともに堅調に推移し、増収増益。中国は消費マインドが低調も、都市化の進展を背景に湖北では増益を確保した。

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