高島屋news|第2Q減収減益/営業収益3.3%減・経常利益27.2%減

(株)高島屋(大阪市中央区、村田善郎社長)が2026年2月期の第2四半期決算を発表した。

3月1日~8月31日の連結業績は、営業収益2353億6200万円(前年同期比3.3%減)、営業利益236億5300万円(17.8%減)、経常利益220億1000万円(27.2%減)、中間純利益212億1900万円(11.2%増)と減収減益となった。

営業利益率10.0%、経常利益率9.4%。

主力の国内百貨店業は、営業収益1464億0100万円(6.1%減)、営業利益95億7100万円(33.6%減)。売上高は、前年度、円安を背景に拡大したインバウンド需要の反動による影響が大きく、売上高全体では減収となったが、国内顧客売上高は堅調に推移し、既存店対比で前年実績を上回った。

「アイテム平場」「自主編集売場」の再強化や「ライフスタイル」「文化」「社会性」を切り口とした独自性のある催事開発など新たなモノ・コト開発を進め、実店舗の強みを活かしたワンストップでの体験価値を提供していく。

4月から高島屋の各種カードのポイントが「1ポイント単位で利用可能」となったことを契機に、カード戦略のリブランディングを始動させた。引き続き、ポイント利用やカード入会状況を踏まえ、既存顧客の満足度向上と次世代顧客獲得の両立に向けた取り組みを強化していく。また、タカシマヤアプリも、6月にリニューアルした。オンラインストアとの会員ID連携、特典付与機能の強化に加え、デジタルでのアプローチなど、重要な顧客接点ツールとして魅力を高めていく。

商品利益率については、百貨店店頭では前年実績を上回った。利益率の低いラグジュアリーブランドなどの売上高が、インバウンドを中心に前年実績を大きく下回ったことによる売上構成比の変化が主要因だ。重点取引先と連携した取り組みを通じ、利益率の高い衣料品・雑貨などのファッションの強化により、本質的な商品利益率の改善につなげていく。

販売管理費について、ベースアップなど人的資本経営の推進に向けた費用は継続して配分している。また、新たな催事の開発など、営業力強化につなげる費用は効果性を見極め、適正に投下した。一方、コスト削減に向けた取り組みも同時に推進したことで、前年からの増加を最小限に抑制した。今後も店舗運営体制の更なる効率化など状況に応じた追加対策を実行していく。

海外百貨店業は営業収益160億9300万円(前年同期比3.3%減)、営業利益37億9000万円(3.2%減)。
シンガポール高島屋は、シンガポール髙島屋においては、長引くインフレ下での消費停滞やコストの増加に加え、円高にともなう為替影響もあり、減収減益となった。ファッション関連商品や食料品など品揃えの再強化に加え、顧客基盤強化に向けた取り組みを推進することで、国内顧客売上高やツーリスト売上高の増大を図っていく。

上海高島屋においては、新たなテナントの誘致など収益基盤の強化に継続して取り組んでいるが、景気低迷による消費減速の影響が大きく、減収・赤字となった。

ベトナムのホーチミン高島屋では、成長分野である子ども用品や化粧品などの品揃えを強化するとともに、コストの増加を最小限に抑制したことで、増収増益となった。

タイのサイアム高島屋では、3月に発生したミャンマー地震や地政学的リスクの高まりによる国内顧客売上高、ツーリスト売上高低迷の影響もあり、減収・赤字となった。

国内商業開発業は、営業収益206億1600万円(1.2%増)、営業利益34億1900万円(12.8%減)。東神開発(株)では「玉川高島屋S.C.」の改装工事を進める「玉川髙島屋S.C.」では、4月西館ストリートに、フードコート「P.」が開業した。多様な文化やスタイルを発信する4つの店舗で構成され、歩道と空間、地域をつなぐ、新たな買物環境を創出している。5月には、屋上庭園「フォレストガーデン」と「ローズガーデン」が環境省の令和6年度後期「自然共生サイト」に認定・登録された。同社グループが運営する区域が認定・登録されるのは初。

海外商業開発業は、営業収益75億4400万円(3.6%減)、営業利益26億8300万円(14.5%減)。トーシンディベロップメントシンガポール PTE.LTD.では、改装工事にともなう空室区画の増加による賃料収入の影響や人的資本投資の強化、外部委託費など施設運営に関わる費用の増加もあり、減収・減益となった。成長ドライバーであるベトナム事業は、着実に進捗している。首都ハノイの「ウエストレイクスクエアハノイ」開発計画においては、8月に起工式を執り行った。第Ⅰ期計画では、地下1階から6階にハノイ初出店となる高島屋(百貨店)と専門店からなる商業フロアに加え、7階から10階にはオフィスフロアを備える地下3階・地上10階建ての複合ビルを建設する。2027年秋の開業に向け、リーシング活動・出店準備を進めていく。

金融業は、営業収益100億5600万円(12.0%増)、営業利益26億8800万円(17.3%増)。高島屋ファイナンシャル・パートナーズ(株)では、収益の柱であるカード事業の取扱高伸長と新規入会会員の増加により、手数料と年会費収入が増大し、増収増益となった。

建装業は、営業収益155億9200万円(1.1%増)、営業利益15億3000万円(30.0%増)。高島屋スペースクリエイツ(株)では、ホテルなどの大型物件やラグジュアリーブランドを中心とした商業施設の受注が堅調に推移した。さらに、コスト管理の強化により、利益率が改善したことも寄与し、増益となった。

その他の事業は、営業収益190億5800万円(4.0%増)、営業利益8億0400万円(2.7%増)。飲食業の(株)アール・ティー・コーポレーション、人材派遣業の(株)センチュリーアンドカンパニーが増収増益となったことで、増収増益となった。

通期は、営業収益4914億円(1.4%減)、営業利益525億円(8.7%減)、経常利益530億円(12.2%減)、当期純利益400億円(1.2%増)を見込む。

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