ゼンショーグループのマルヤ 山口本店を買収
日本の外食No.1企業ゼンショーホールディングス(HD)。昨年11月にその傘下に入ったマルヤが、主に栃木県でスーパーマーケットを運営する山口本店を買収すると今日22日発表した。
山口本店は栃木県と群馬県にスーパーマーケットを8店舗展開していて、2013年2月期の売上高は46億1900万円、売上総利益(粗利益)は9億6200万円。しかし、営業損益は▲1億1500万円、経常損益も▲1億4500万円と不振だった。
マルヤは今日の取締役会で山口本店の買収を決議。買収日は11月1日で、買収金額は3億6500万円。一方、買収によってマルヤが手に入れる山口本店の資産は主に有形固定資産で11億6000万円。その結果、マルヤが引き受ける山口本店の負債3億1000万円との差額4億8500万円が、負ののれん発生益となる見込み。
山口本店は1951年3月設立で、資本金は1000万円。2013年2月期の純資産は3900万円、総資産は15億4900万円。
マルヤの親会社であるゼンショーHDは、1982年7月に弁当店の「ランチボックス」からスタート。その約4カ月後に現在の主力業態である牛丼チェーン「すき家」の出店を開始。その後もM&Aによって和風牛丼・京風うどんの「なか卯」、ファミリーレストランの「ココス」、ハンバーグ・ステーキの「ビッグボーイ」、回転ずしの「はま寿司」などを傘下に収めて業態の幅を拡大し、2013年3月期決算(連結)は、売上高4175億7700万円、経常利益138億7300万円、当期純利益50億5800万円と日本最大の外食企業に成長した。
ゼンショーHDの2013年3月末の連結子会社は35社。同社では食産業を「フード業」と呼び、自社牧場を運営するなど垂直統合を進める一方で、フード業の水平統合型M&Aを行う。その目的は「規模の経済」のみならず、多様なフード業に携わることによる「範囲の経済」の実現にある。だから、スーパーマーケット企業のマルヤや山口本店の買収は、その一環ということになる。
直営店舗による経営にこだわるゼンショーHDの拡大戦略。これは日本の外食産業では前例のない実験でもある。
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