イオン「マイバッグデザインコンテスト」最優秀賞決定と商品化のギャップ
イオンが「買物袋持参運動」の一環として実施する「マイバッグコンテスト」。
環境月間の6月に、「未来に残したい『自然』』をテーマに募集した。
3888作品が応募され、その中から最優秀賞3作品が選ばれた。
【小学生・中学生】の部は三重県の日下遥さん。
「Friend with Nature」をテーマに太陽や虹、動物や昆虫たちが色彩豊かに描かれている良い作品だ。
【高校生・一般の部】は2作品。
北海道の会沢茜さんの作品は、北海道の自然と動物を繊細に描いたモノトーンの洒落たデザイン。
もう1人は志和里絵さんは「Love of Nature」をテーマにさまざまな花で球体を描いた。
いずれの作品も力作。
ほかに優秀賞としてそれぞれ15作品が選ばれている。
実にいい作品が多い。
商人舎ではエコバッグ研究会を立ち上げ、
アメリカ、イギリス、中国、スペイン、ドイツなどなど世界中のエコバッグを集め、
商人舎サイトで紹介している。
その数202作品。
だから、今回の優秀作品から勝手に「商人舎賞」を選ばせていただくなら、
三重県の川田喜栄さんの作品だ。
バッグ全面にこのイラストを配したら、とても素敵なマイバッグができそうだ。
こうしたお客さま参加型の「マイバッグコンテスト」の取り組みは高く評価したい。
全国チェーンだからできるプロモーション活動だし、植樹活動やレジ袋有料化をいち早く進め環境保護を訴えるイオンならではのイベントでもある。
そして今回、最優勝作品はマイバスケットとして商品化され、10月から全国のイオングループ1200店舗で販売される。受賞者には嬉しい賞品。
しかし、しかし、
商品化されたマイバッグのデザインはいただけない!
黒や緑の地色のために、作品の色合いが台無しになった。
マイバッグ商品化の段階でデザイナーがいたはずだが、そのデザイナーのセンスなのか、そもそもデザイナーがいないためか、商品化された画像を見て商人舎一同、がっかりした。
あまりのデザインセンスに。
素材もチーピーすぎる。
アメリカを視察すると、誰もが、トレーダー・ジョーやホールフーズのエコバッグをお土産に購入する。
トレーダー・ジョーは店ごとにアート科出身の専属のデザイナーがいるし、もちろん、本部にも専属のアーティストがいる。
だからエコバッグも販促物も、店内POPも一貫性があり、とびきりデザイン性に優れている。
ホールフーズもしかり。
ウォルマートのデザインも、店舗からホームページから、プライベートブランドから、エコバッグまで、実にウォルマートらしい統一感がある。
企画はいい。受賞作品もいい。ダメなのは商品化。
価格志向の強いイオンだから、イオンがつくるマイバッグはコモディティでもいい。
しかしコモディティでも、デザイン性には優れていなければいけない。
さらに、今回のようなスペシャルな企画、スペシャルな作品のマイバッグはノンコモディティであるべきだ。
商品化のプロセスで、そういった考え方の仕分けが明確にあったなら、もっと良い仕上げになっていただろうはず。
なんとも残念至極。
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