「トップバリュグリーンアイ」オーガニックシリーズ120品目を10/7全国発売
イオン(株)は明日10月7日(火)から、「トップバリュグリーンアイ」オーガニックシリーズ計120品目を発売する。
「グリーンアイ」は1993年に誕生したプライベートブランドだ。
「安全・安心」と「自然環境への配慮」をコンセプトに展開してきたが、今回、JAS有機認証を受けたオーガニックシリーズとしてリニューアル展開するもの。新たに58品目の食品を加え、PB商品では国内最大規模の展開となる。
オーガ ニック(有機)食品とは、農薬や化学肥料に頼らず、太陽・水・土壌など自然の力を活かしてつくられた有機農産物や有機畜産物、またその加工食品を指す。多様な生態系や環境の保全、化学的に合成された保存料・着色料を一切使用しないことによる健康への配慮などを目的とする。
シリーズは、農産物、農産物加工食品、畜産物加工食品など計120品目(茶、キャンディ、ドレッシング、シリアル、コーヒー、ドライフルーツ、味噌、酢など)。
「イオン」「ダイエー」「マックスバリュ」「イオンスーパーセンター」「ピーコックストア」「ミニストップ」など全国のグループ約4000店舗で展開する。
また、イオンの機能会社であるイオントップバリュ(株)とイオン商品調達(株)が、農林水産省が定める、JAS有機農産物加工食品の「認定輸入業者」資格を取得したことで、国内での商品開発はもちろん、日本の有機JAS規格と同等性が認められた海外でのオーガニック商品の開発や調達まで手掛けることが可能と なった。
今回は食品だけだが、今後はオーガニックの日用品や衣料品などの分野にも広げる計画だ。
安全・安心な高品質の商品が多いとされる日本は、先進国のなかでは、オーガニック後進国。しかし、EUもアメリカもオーガニック市場は成長市場として、今やチェーンストア各社がプライベートブランドを展開する。
例えば、アメリカではUSDA(アメリカ農務省)が2000年12月20日、「ナショナルオーガニックプログラム」を発表し、2001年2月、「ナショナルオーガニックプログラム」を制定、その後、2002年10月21日に、完全履行した。これによってオーガニック市場は加速度的に伸長した。
オーガニック商品の市場規模は、2012年段階で315億ドル(100円換算で3兆1500億ドル)、昨対10%以上伸び。全米の81%の家庭でオーガニック商品を購入していると言われ、店頭で販売されている青果の10%以上がオーガニック(FMI調べ)。
もちろん、オーガニックは農産物だけでなく、その他の商品や加工食品としても生産されている。オーガニックの牧草で育てられた乳牛からつくられた乳製品やパスタなどの農産加工品、さらにはオーガニックコットンの衣料など、オーガニック商品の開発は進んでいる。
USDAの「ナショナルオーガニックプログラム」で厳格な基準が定められているからに他ならない。
基準にのっとったオーガニック商品は3つに分けられ、表示の義務を負う。
100%Organic
・有機栽培の原料(水と塩を除く)でのみ製造されているもの。
・認証した機関名をパッケージに記載しなければならない。
・「USDA ORGANIC」の認証ロゴの記載は省略可。
Organic
・有機栽培の原料を95%以上使用しているもの。
・残りの有機原料でないものも、USDAの指定する非有機原料を使用しなければならない。
・有機原料のパーセンテージを表記することも可能。
・認証した機関名をパッケージに記載しなければならない。
・「USDA ORGANIC」の認証ロゴの記載は省略可。
Made with Organic Ingredients
・有機栽培の原料を70%以上使用しているもの。
・残りの有機原料でないものも、USDAの指定する非有機原料を使用しなければならない。
・使用している有機原料を3つまで、またはパーセンテージを表記することができる
・認証した機関名をパッケージに記載しなければならない。
・「USDA ORGANIC」の認証ロゴの記載は不可。
この恩恵を最も受けたのは、オーガニック・スーパーマーケットともいえるホールフーズ・マーケットだ。この10年で売上げは5倍になった。
もちろん、ウォルマートをはじめとする大手チェーンも積極的なPB商品開発を進めている。
ウォルマートのオーガニック・ミルクのPBは全米第1位の売上高となった。
オーガニックPBは、アメリカでもEUでも、品揃えが必須になってきた。その分、付加価値商品でも価格志向が強まってきている。ウォルマートは2011年に、「将来的にはオーガニック商品の価格は通常商品の+10%とする」と宣言している。
このアメリカのトレンドを最も敏感に受け止め、日本で先頭を走っているのがイオンだが、今回のグリーンアイ・オーガニックシリーズ120品目の発売が、そのスピードをさらに速めさせることになる。
〈亀谷しづえ〉
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