4月百貨店統計|売上高前年同月比167.0%増も前々年比27.7%減

一般社団法人日本百貨店協会(東京都中央区、村田善郎会長)が発表した「百貨店売上概況」によると、4月の売上高は3178億6218万円の167.0%増だった。調査対象店舗は73社192店舗。

前年の緊急事態宣言に伴う、臨時休業や時短営業など営業自粛の反動に加え、月前半は集客・売上げともに回復傾向が見られ、4月の売上高は三桁台のプラスだった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大に伴う7県のまん延防止等重点措置適用や、4都府県への3度目の緊急事態宣言発出による限定営業などの影響で、コロナの影響を受けない前々年比では27.7%減だった。これは3月の前々年比19.1%よりも8.6ポイントダウンし、厳しい環境は変わらない。

顧客別では、国内市場は2カ月連続で164.3%増だった。インバウンドも2カ月連続で797.4%増だが、前々年比では86.9%減と苦境が続いている。

地区別では、大都市が192.1%増、地方も121.2%増と、営業自粛による前年の減少幅の大きかった大都市が、その反動で地方を上回った。

商品別では、宝飾、時計などの高額品や、イエナカニーズからリビング関連用品、家電製品、食料品が好調に推移した。また、軽衣料や新生活需要でスーツなども動いた。各社が企画した恒例の催事や会員向け施策も好評だった。EC売上げは依然として高伸しており、母の日ギフトや化粧品、食料品などは、対前年の2倍を超える店舗も見られた。

百貨店各社では、これまでも感染予防対策を徹底し営業を行っているが、より一層強力な体制を整備した上で、デジタル活用など非接触型の各種施策を積極的に取り入れるなど、新たな生活様式に適合した取り組みを進めている。

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