7月外食統計|全体売上げは前年同月比114.5%も19年比では98.5%

一般社団法人日本フードサービス協会(東京都港区、近藤正樹会長)が7月の外食産業市場動向調査を発表した。調査企業数は223社、店舗数は3万6882店舗。ファストフードは2万1287店舗で全体の57.7%を占める。

7月の全体売上高は114.5%と10カ月連続で前年を超えた。19年比では98.5%。3月の制限解除以降は回復基調にあった店内飲食が、月後半のコロナ第7波の拡大に伴い失速し、業界の全体売上げを押し下げた。

ファストフード業態の全体売上高は107.8%、客数102.9%、客単価104.8%。テイクアウト・デリバリー比率の高いFF業態は、全国のコロナ新規感染者が1日20万人超の日々においても比較的堅調に推移した。19年対比でも112.1%となった。

「洋風」は、テイクアウト・デリバリーの堅調に加えて、価格改定による単価上昇もあり、売上高108.0%、19年比では130.8%と、大幅な伸びを見せた。「和風」は、昨年来の価格改定や鰻など季節メニューの好調で客単価が上昇、売上高110.2%となった。「麺類」は、月後半にラーメンなどで客足の減少が見られたが、うどんの持ち帰りが伸びたところもあり、売上高110.5%。「持ち帰り米飯/回転寿司」では、「持ち帰り米飯」のデリバリーやネット注文が好調で、売上高102.6%。「その他」は、「アイスクリーム」が夏休み需要を取り込み、サイズアップキャンペーン等が奏功し、売上高108.2%となった。

ファミリーレストラン業態の全体売上高は、前年比120.6%。19年比では89.0%にとどまった。夜間集客の鈍さに加え、コロナ感染が拡大していくにつれて、さらに客足は鈍った。

「洋風」「和風」の前年比は「洋風」117.7%、「和風」121.9%となったものの、中旬以降の感染者数の増大により、高齢者層の外出控え傾向が強まり、19年対比は「洋風」83.0%、「和風」84.1%となった。「中華」は引き続きテイクアウト・デリバリーが堅調で、今年は酒類の販促キャンペーンも展開でき、売上高は118.9%と好調、19年比でも109.4%となった。「焼き肉」は、コロナ感染者の急増でとくに都心部や駅前立地は苦戦、郊外店でも客足の伸びが鈍くなったが、月全体で見れば好調を維持しており、売上高131.7%、19年比105.6%となった。

「パブ・居酒屋」は、大都市圏などで休業要請が続いていた昨年の売上げと比べると237.6%と大きく伸びた。しかし、ようやく戻り始めていた中小規模の宴会も、コロナ第7波の報道が出始めた頃からキャンセルが相次ぎ、月後半になるほど客足は鈍った。19年比の売上高は、4月47.6%、5月54.7%、6月58.3%と回復基調であったが、7月は53.3%とやや下降気味。

ディナーレストラン業態の売上高は133.2%。19年比では80.6%にとどまった。月初は比較的好調で、ディナー時間帯の客足にも一部戻りが見られたが、中旬以降はコロナ感染の拡大に伴い、売上げは都市部店舗を中心に下降傾向となった。

喫茶業態は、コロナ感染の拡大につれ、下旬になるほど客足は落ち、とくにビジネス街立地の店舗が影響を受けた。時短営業の多かった前年と比べると売上高116.1%となるも、19年対比では81.8%にとどまった。

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