11月外食統計|前年同月比108.9%・19年比100.7%/一部業態でW杯需要
(一社)日本フードサービス協会(東京都港区、近藤正樹会長)が11月の外食産業市場動向調査を発表した。調査企業数は214社、店舗数は3万6802店舗。ファストフードは2万1288店舗で全体の約58.0%を占める。
11月の全体売上高は前年比108.9%と14カ月連続で前年を超えた。19年比では100.7%。新型コロナ第8波が拡大中も行動制限がなく、インバウンド受け入れや全国的な旅行支援が10月から実施され、価格改定も行われた。
しかし、原材料、エネルギー費、人件費等の高騰が続き、自粛気味の消費マインドが加わり、夜間の客数が伸び悩み、コロナ前の回復までの勢いは弱いものとなっている。
ファストフード業態の全体売上高は109.2%、19年比では111.6%。堅調なテイクアウト・デリバリーに加えて店内飲食も堅調。
最も伸びが大きい「洋風」は、サッカーW杯にちなんだ限定メニューなどが好調で111.7%。19年比でも125.8%とコロナ以前よりも大きく伸びた。
「和風」は新商品が好調で、売上げ108.1%。19年比でも106.6%。
「麺類」は客数減・店舗数減となっているが、季節限定メニューが好調で売上げ106.8%、19年比は92.0%。
「持ち帰り米飯/回転寿司」は、高単価メニューが好調、回転寿司による低価格キャンペーンもあって、売上げ106.5%となった。「その他」は、「アイスクリーム」はテイクアウト商品が好調で売上げは105.1%となった。
ファミリーレストラン業態の全体売上げは、前年比107.5%、19年比では93.9%。平日を中心にした夜間の集客が依然として伸び悩んでいる。
「洋風」は価格改定が進んだことや客数増もあり、売上げ108.9%、「和風」は全国旅行支援もあり、108.1%となった。「中華」は店舗、テイクアウトとも好調で売上げ109.3%。19年比で105.6%。「焼き肉」は夜間客の戻りが伸び悩み100.2%、19年比でも102.0%となった。
「パブ・居酒屋」業態は、W杯の観戦や忘年会の前倒し需要もあり売上げ114.7%。19年比では61.4%。個人客中心に回復基調にあるが、法人の宴会需要や夜間の二次会需要の戻りが厳しくなっている。
ディナーレストラン業態は、売上げが108.1%。全国旅行支援やインバウンド需要で客数も戻り始めたが、人手不足もあって営業時間の拡大もできずに19年比は84.5%に留まった。