1月百貨店統計|売上高4311億円15.1%増/客数14.4%増の二桁伸長
(一社)日本百貨店協会(東京都中央区、村田善郎会長)が2023年1月の「全国百貨店売上概況」を発表した。調査対象は71社185店で、前月から増減なし。
1月の売上高は4311億1297万円で既存店前年同月比15.1%増、客数は入店客数14.4%増と、共に二桁の伸びとなった。
行動制限のない初商は盛況で、クリアランスや、各社が企画した物産展等の催事も集客と売上げに寄与した。季節商材の福袋、物価高を受け、食料品など生活必需品を中心に好調だった。ただし、消費増税の反動が残る2020年比では6.2%減、特殊要因のない2019年比では9.5%減となった。
顧客別では、インバウンドが331.5%増と高い伸びを示し、全体に占めるシェアも前月より1.0ポイント拡大した。国内市場も好調で、前月より10.3ポイントアップの11.3%増となった。
地区別では全地区で前年実績を超えた。インバウンド効果もあり、都市は18.4%増、地方でも6.2%増。もっとも伸長したのは、北海道地区の48.1%だった。
商品別では主要5品目すべてで前年プラス。外出機会の増加や気温低下で好調だった防寒商材と、高付加価値な特選商材が牽引した。
「衣料品」の売上高は、1256億6524万円で14.2%増。コートなど重衣料や、オケージョンアイテムが動いた。「身のまわり品」は750億2282万円で24.5%増。「雑貨」は830億3892万円で16.4%増。美術・宝飾・貴金属など高額品は、ラグジュアリーブランドのバッグや時計を中心に増勢が続いていて、価格改定前の駆け込みも見られた。
「家庭用品」は155億6456万円で6.2%増。「食料品」は1087億5692万円の10.9%増で、生鮮食品が年始需要などから5カ月ぶりにプラス転換した。また惣菜と菓子は共に17カ月連続増となった。とくに菓子は帰省、手土産、インバウンド需要によって好調に推移している。
なおバレンタイン商戦では、ECサイトの先行販売や限定品、サステナブルなどテーマ性のある商品や自家需要が人気で、好調な滑り出しとなった。