1月SC統計|既存SC売上高11.1%増/旅行客増や新年会需要で飲食好調
(一社)日本ショッピングセンター協会(東京都文京区、清野智会長)が1月の「SC販売統計調査」を発表した。既存SC売上高は前年同月比伸長率プラス11.1%。調査サンプル数は、484SC。
前年同月は段階的にまん延防止等重点措置が全国的に発出され、外出自粛傾向が高まっていたが、今年は行動制限がなかったことや1月10日から再開された全国旅行支援により、外出機運が高まり来館者数が増え、前年超えとなった。引き続き大都市や観光立地を中心にインバウンドも増加しており、来館者数および売上増加に寄与した。
2019年比ではマイナス7.9%と、コロナ前の水準にはまだ戻っていないが、東京区部のキーテナントがプラス0.1%と伸長しており、徐々にコロナ禍前の売上げに戻りつつあるSCもみられた。
立地別に見ると、外出機運が高まったことや旅行客の増加により、とくに中心地域の大都市が好調だった。
中心地域・大都市は総合で前年同月比伸長率プラス21.3%となった。なかでも札幌市、大阪市、福岡市は国内外の旅行客増加により来館者数が増え、前年比伸長率が20%を超えた。
中心地域・中都市は総合で前年同月比伸長率プラス9.4%となった。県外からの旅行客やインバウンド増加の影響で飲食や土産品が好調だった。
周辺地域は総合で前年同月比伸長率プラス9.0%となった。前年の行動制限の反動と、寒波の影響でアウターや防寒アイテムが好調だったことが売上げを押し上げた。
地域別では、全地域プラス。とくに北海道が総合で39.0%増と、大幅に伸長した。県外からの旅行客や帰省客の来館者数が増えたことやインバウンド客の増加により、テナント、キーテナントともに他地域と比較して伸長率が最も高かった。
関東は、総合で10.6%増。正月イベントやキャッシュバックなどのキャンペーン実施が集客につながったSCが多くみられた。
近畿は、総合で10.1%増。旅行客などの来館者増加の影響で京都市を中心に2桁伸長率となったSCが多かった。
業種別に見ていくと、「飲食」は、前年同月にまん延防止等重点措置が発出されていた反動と、旅行客などの来館者数が増えた。ファミリー層や新年会などの需要により、ディナータイムにも賑わいが戻っているという声が聞かれた。
「ファッション」は、外出需要の高まりと数年に一度の寒波到来、セールの実施により、アウターなどの冬物衣料や防寒アイテムが高稼働した。
国内外の旅行客や帰省客の来館により土産品が好調だった。インバウンド売上げとしては、ラグジュアリーブランドなどの高単価商材やドラッグストアが好調だった。