9月SC統計|既存SC売上高7.5%増/秋物衣料苦戦も飲食業種が牽引
(一社)日本ショッピングセンター協会(東京都文京区、清野智会長)が9月の「SC販売統計調査」を発表した。既存SC売上高は前年同月比伸長率プラス7.5%だった。調査サンプル数は、505SC。
9月は記録的な残暑によって秋物衣料の動きが鈍いSCが多かったが、国内旅行客やインバウンド客の来館、館周辺でのイベント開催により飲食業種が売上げを牽引した。また、前年同月は台風のため臨時休業や営業時間短縮を行ったSCは反動増となった。
立地別にみると、中心地域は総合でプラス12.8%、周辺地域はプラス5.1%だった。
中心地域・大都市は総合でプラス16.2%。国内外の旅行客や館周辺でのイベント開催による来館で、大幅な伸びにつながった。通勤客や旅行客の往来が多いターミナル駅の駅ビルや地下街がとくに好調だった。
中心地域・中都市は総合でプラス6.7%。観光立地のSCや、館周辺での地域イベントがあったSCがとくに好調だった。
周辺地域は総合でプラス5.1%。レジャー需要にも対応する広域商圏の大型SCや販促イベントがあったSCは好調だった。
地域別に見ると、九州・沖縄が総合でプラス14.4%ともっとも伸長した。とくに福岡市は大都市のなかではプラス22.9%と最も高く、国内外の旅行客、とくにインバウンド客の来館で大幅な伸びにつながった。
関東は総合でプラス6.3%、近畿はプラス9.9%。どちらもインバウンド客の来館が多かった。
業種別にみると、「ファッション」は残暑で盛夏商材のセール消化が進んだとの声がきかれた。9月後半に気温が下がってからは、羽織り物などの秋物商材が動き出した。「雑貨」はキャラクター商材や行楽需要による旅行用品が好調だった。「飲食」は旅行客やイベント帰りの来館客の利用が多かった。猛暑のため、冷たい商品や夏メニューが高稼働したことに加え、ディナータイムが盛況だった。