8月販売月報、百貨店▲0.3%、総合スーパー▲0.1%と微減、スーパーマーケットは+1.6%

9月23日デイリー商人舎で、コンビニの8月実績を速報でお伝えしたが、その他の小売業態の8月の結果を見ていく。

百貨店の販売数値。日本百貨店協会から発表されている。
8月の総販売額は4272億3764万円で既存店前年同月比マイナス0.3。
これで4月の消費増税以来、5カ月連続でマイナスとなった。

会計の額がどうしても大きくなりがちな百貨店にとって、
たった3%の増税でも、大きな痛手だ。
小売業態の中では特に百貨店に味方したアベノミクス効果も完全に失速状態か。

しかしマイナス幅は確実に減少してきてはいる。
4月にマイナス12%にまで落ち込んだ前年同月比は
5月にマイナス4.2%、6月はマイナス4.6%、7月はマイナス2.5%。
そして前述のとおり、8月にはマイナス0.3とほぼ横ばいの水準に回復しつつある。

8月上旬は西日本を中心に記録的な降水量のため、
夏物商材の動きは鈍く、客足が遠のいた。
しかし下旬の低温基調により秋物の動きが一気に加速。
結果、大幅なマイナスとならずに済んだ。

商品別にみると、
衣料品が1248億1626万円でマイナス1.2%、
身のまわり品、553億0257万円でプラス1.6%、
雑貨は680億1136万円プラス0.8%、
家庭用品が215億3464万円でマイナス2.4%、
そして食料品が1265億1612万円でマイナス0.6%。

身のまわり品と雑貨が5カ月ぶりにプラスに転じる結果となった。

次に「チェーンストア販売統計」から総合スーパーの動向を読み解く。
日本チェーンストア協会から発表されている。

総販売額は1兆0974億8153万円で既存店前年同月比はマイナス0.1%。
惜しくも前年クリアならず。
こちらも増税後5カ月連続マイナス。
しかし、全店規模でみればプラス3.0%と健闘した。

なかでも売上高の65.5%を占める食料品部門が好調で、
7192億5670万円でプラス1.0%。
農産プラス1.0%、畜産プラス8.8%、水産プラス2.7%、惣菜プラス3.7%。
相場高の影響が大きい。

逆に構成比8%の衣料品と20.0%の住関品は振るわず、
それぞれマイナス3.6%とマイナス1.2%だった。

スーパーマーケットの統計調査は、
日本スーパーマーケット協会、
オール日本スーパーマーケット協会、
新日本スーパーマーケット協会の合同発表。

8月の実績は以下。
総売上高は8748億5048万円で既存店前年同月比プラス1.6%。

食品の合計は7704億0753万円でプラス2.1%。
生鮮3部門の合計が2848億5496万円でプラス5.9%。
うち、青果が1172億8819万円のプラス2.7%、
水産が763億1203万円のプラス5.3%、
そして畜産が912億5474万円でなんとプラス11.0%。
惣菜881億0688万円、こちらもプラス3.8%。
日配は1625億4209万円でプラス0.9%。
ここまで全項目プラス。

しかし一般食品が2349億0360万円でマイナス1.9%、
非食品が713億4843万円でマイナス2.0%、
その他が330億9452万円のマイナス4.1%。
この結果を見ると、買い置きできる商品の増税前駆け込み購入がいまだ尾を引いているか。

今回は日本スーパーマーケット協会管理渉外部長の高田泉さんが報告。
「8月は昨年に比べ、日曜日が一日多かった。
2013年の8月もその前年より、
土曜日が一日多かったが昨対99%だったところをみると、
昨年より商況は良くなっているか。

精肉、青果は相場高でプラス幅が今月も大きかった。

東京ではあまり実感はないが、
8月の西日本は日照時間が過去最少だった。
夏物商材は売れなかったが、全体の結果としてはよかった。

しかし実質賃金指数は13か月連続でダウンしているし、
9月は厚生年金保険料率が増える。
9月の動向は楽観視できない状況といえる」

百貨店と総合スーパーが微減、食品スーパーマーケットが微増。
コンビニがマイナス2.4%で一番落ち込んだ。

それがこの夏の業態別販売トレンド。

コンビニの弱点は加工食品と非食品雑貨だと指摘したが、スーパーマーケットも同じ兆候が出ている。
それはこういった商品群がコモディティ化現象の中にあって、スーパーマーケットでは生鮮食品や惣菜が、コンビニではカウンター商品や弁当・惣菜が伸びている。

独自の特徴ある商品群によって集客の闘いは繰り広げられ、コモディティ商品は実質的な安さを売り物にしつづける店か、あるいは便利に、ついで買いされる店で買われる。

そんな傾向が顕著になってきた。

この数字は従って、加工食品や日用雑貨のメーカーに対して、刃を突きつけている。

検索ワード;百貨店 総合スーパー スーパーマーケット コモディティ化現象

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