5月百貨店売上速報|4社とも減収/三越伊勢丹96.6%・大丸松坂屋97.9%
主要百貨店4社が5月の売上高速報を発表した。既存店売上高は三越伊勢丹百貨店は前年比96.6%、大丸松坂屋百貨店は99.3%、阪急阪神百貨店は93.6%、高島屋は95.0%だった。
(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、細谷敏幸社長)の国内百貨店売上げ合計は前年同月比で96.6%。伊勢丹新宿本店の店頭売上げは96.1%、三越日本橋本店は102.6%、三越銀座店は96.5%、伊勢丹立川店は100.3%、伊勢丹浦和店は97.4%。首都圏5店で既存店97.7%となった。
商品面では、新宿、日本橋の両本店の宝飾品が伸長するなど、人とデジタルでつながった顧客に対する、高付加価値な商品の提案が引き続き支持されている。また海外顧客については、引き続き化粧品や食品への関心が高く、新たにローンチした海外顧客向けアプリの会員数が増加している。
免税売上げは、前年を下回っているが、「エムアイカード ベーシック」の導入効果も含め、識別化が順調に進んでいる国内顧客の売上高が堅調に推移した。
J.フロントリテイリング(株)(東京都中央区、好本達也社長)は、大丸松坂屋百貨店合計が既存店前年同月比97.9%。博多大丸、高知大丸を含む百貨店事業全体でも96.5%だった。
5月度の売上高は、化粧品、アクセサリー、食品などが売上を伸ばし、外商売上も堅調に推移したものの、ラグジュアリーブランド、時計、宝飾品などが前年実績を下回った。
店舗別では、15店舗中4店舗が前年実績を上回った。
大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は、化粧品を中心とした消耗品が好調だったが、ラグジュアリーブランドなどを含む一般品の売上が前年を下回るなど客単価の低下で対前年比59.9%(客数同2.9%増、客単価同41.7%減)となった。
エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区、荒木直也社長)の(株)阪急阪神百貨店(大阪市北区、山口俊比古社長)の売上高は前年同月比90.1%、阪急本店が85.1%、阪神梅田本店が102.8%だった。
単月ではピークを迎えた前年の反動と、継続する円高傾向により、前年に対して約4割減と3・4月に続いて苦戦。それに伴い阪神梅田本店を除く都心店の売上高は前年を下回った。一方、食品の売上が堅調に推移する郊外店の売上高は前年を上回った。
阪神梅田本店の2階から8階が5月21日にリニューアルオープン。大型専門店の導入もあり若年層顧客が増加。催し会場の再開もあり、前年の売上高に対して約2割増と好調に推移した。
(株)高島屋(大阪府大阪市、村田善郎社長)の既存店売上高は、高島屋単体の10店舗で前年同月比93.6%、国内百貨店子会社3社を加えると93.8%だった。
5月度の店舗別売上高は、日本橋店102.0%、玉川店103.9%、柏店103.9%、EC店112.4%と4店舗が前年実績を上回った。
商品別売上高(同社分類)は子供情報ホビー、スポーツ、食料品、食堂、サービスが前年実績を上回った。