総合スーパー+3.4%、食品スーパー+4.0%、「閏年」の影響

日本チェーンストア協会から「チェーンストア販売統計(月報)平成28年2月度速報」が発表されている。チェーンストア協会加盟企業の過半は総合スーパー業態を運営する企業占めている(ウォルマート傘下の西友を除く)。したがって、この統計が総合スーパーの販売トレンドを示していると判断することができる。調査対象企業は58社、9371店。

2月の総販売額は9952億2801万円で既存店前年同月比は3.4%増加した。
各部門別の販売額と構成比、既存店昨対は以下の通り。

1.食料品 6755億2971万円(構成比67.9%、プラス5.2%)
 a)農産品 931億5449万円(9.4%、プラス4.2%)
 b)畜産品 790億4939万円(7.9%、プラス4.7%)
 c)水産品 618億9121万円(6.2%、プラス4.1%)
 d)惣菜 792億7026万円(8.0%、プラス9.8%)
 e)その他食品 3621億6436万円(36.4%、プラス4.8%)
2.衣料品 749億5841万円(7.5%、プラス1.2%)
 a)紳士衣料 145億4280万円(1.5%、マイナス2.0%)
 b)婦人衣料 234億4935万円(2.4%、マイナス0.4%)
 c)その他の衣料・洋品 369億6626万円(3.7%、プラス3.6%)
3.住関品 1888億9213万円(19.0%、プラス2.0%)
 a)日用雑貨品 788億7472万円(7.9%、プラス2.5%)
 b)医薬・化粧品 295億7414万円(3.0%、マイナス1.2%)
 c)家具・インテリア 398億5586万円(4.0%、プラス5.6%)
 d)家電製品 101億7282万円(1.0%、プラス3.7%)
 e)その他商品 304億1459万円(3.1%、マイナス1.8%)
4.サービス 27億9750万円(0.3%、マイナス2.8%)
5.その他 530億5026万円(5.3%、マイナス8.4)

2月は気温が高めに推移したため、食料品部門では鍋物関連商材が苦戦。一方で、惣菜部門の昨対9.8%プラスが示すように惣菜は全体的に好調だった。温惣菜では揚げ物、スナック、焼物、中華などがよく動いた。要冷惣菜は、和・洋惣菜ともによく売れ、弁当や寿司などが好調だった。

高温傾向の影響は衣料品や住関品にも見られた。冬物衣料、住関品の季節商品の動きが鈍かった。

食品スーパーマーケットの2月度速報結果も発表されている。「スーパーマーケット販売統計調査」は、一般社団法人日本スーパーマーケット協会(JSA)、一般社団法人新日本スーパーマーケット協会(NSAJ)、オール日本スーパーマーケット協会(AJS)の3団体の合同。集計企業数はパネル方式をとっており、毎月同じ275社を集計。2月の店舗数は7475店舗だった。

総売上高は8196億6347万円で、既存店前年同月比はプラス4.0%。
各部門別の売上高と構成比、既存店昨対は以下の通り。

1.食品合計 7360億8591万円(89.8%、プラス4.6%)
 a)生鮮3部門合計 2793億0760万円(34.1%、プラス3.5%)
 ・青果 1113億9005万円(13.6%、プラス3.8%)
 ・水産 739億3183万円(9.0%、プラス2.5%)
 ・畜産 939億8571万円(11.5%、プラス3.9%)
 b)惣菜 809億4235万円(9.9%、プラス5.7%)
 c)日配 1582億1531万円(19.3%、プラス5.9%)
 d)一般食品 2176億2065万円(26.6%、プラス4.9%)
2.非食品 596億5869万円(7.3%、プラス0.5%)
3.その他 239億1935万円(2.9%、マイナス5.5%)

今月の発表担当はJSAの江口法生理事・事務局長。
201603.jsa-eguchi

「2月を考えるうえで、当然のことながら今年は閏年のため、1日営業日数が多かったことが結果に反映している。小売業は1日増えることがストレートに売上げに貢献する業態。このプラス1日がどれくらい寄与しているか、小売業の方々の感触を聞くと、だいたい2%、多くて3%ほどの上昇要因となっているようだ。今月は既存店昨対が104%だったので、閏年がなければ、101~102%ほどで、前月からの流れからは外れていないとみられる」

2月はカレンダーマーケットと呼ばれるほど、イベントが多い。節分に始まり、すぐにバレンタインに移行し、それが終わったらすぐにホワイトデーの準備に取り掛かる、忙しいひと月だ。
「節分の恵方巻は毎年、『伸びています、伸びています』と言い続けているが、今年も好調だった。特に今年は節分の恵方巻商材を抱える惣菜部門がプラス5.7%と大幅伸長し、数字に表れている。バレンタインについては今年は2月14日が日曜日だったので懸念していたが、おおむね好調だったようだ。高級ブランドの チョコレートが売れる傾向にあるが、チョコだけでなくスイーツ全般に力を入れている企業も多かった」

「インフルエンザのピークが遅れてきたというのも、今年の特筆すべき点。機能性ヨーグルトやハンドソープなどのインフル対策商品がよく売れたことが、今年ならではの傾向だった」

「2月中旬以降に気温が上昇し、サラダ商材が好調だった反面、2月に一番売らなければいけない鍋物商材が苦戦した。しかし、全体でみると全食品部門が既存店超えを達成しているので、食品スーパーマーケットとしては非常に良い結果であった」


2月の業態別既存店営業実績のまとめ。
スーパーマーケットがプラス4.0%、
総合スーパーがプラス3.4%、
コンビニがプラス1.6%、
百貨店がプラス0.2%。

プラス幅に差はあるものの、主要小4業態すべて、前年超えとなった。
JSAの江口事務局長も言っているが、小売業にとって「閏」の1日増は、売上げの増加にストレートに反映される。単純に29分の28で割り算すると、3.57%。したがって、前年合格ラインはスーパーマーケットの4.0%ということになる。総合スーパーの3.4%はぎりぎり、コンビニの1.6%も百貨店の0.2%も前年マイナスとなる。「毎日の食卓提供業」であるスーパーマーケットは、健闘したということだ。

 

検索キーワード: 統計 月報 月次 調査 SM GMS 発表

関連カテゴリー

統計 最新記事

一覧

最新ニュース

一覧