中国・湖北省武漢市1号店「イオンモール武漢金銀潭」19日オープン
12月19日(金)に中国湖北省武漢市東西湖区に、湖北省でイオン初となる「イオンモール武漢金銀潭(ぶかんきんぎんたん)」が出店する。
イオンモール(株)と武漢市人民政府・永旺夢楽城(湖北)商業管理有限公司との協力協定による1号店出店。2011年に両者が交わした「大型ショッピングセンターを5年以内に5箇所以上開設する協力協定」に基づいてオープンさせるもの。このあとすでに、武漢市では「(仮称)イオンモール武漢経済技術開発区」「(仮称)イオンモール武漢石橋」の2カ所の出店が決まっている。
出店するのは、武漢市中心の北西部「東西湖区」。区の東側に隣接するのは、国家級の開発区に指定された人口増加が著しい「武漢臨空港経済技術開発区」。周辺は外資企業が多数進出するエリアで、地下鉄2号線の始発駅「金銀潭駅」もある。市内の主要環状線(三環路)からもアクセスは良好。基本商圏は自動車20分圏で110万人を設定する。
モールは敷地面積は約8万8000㎡、建物延床面積は約18万2000㎡、総賃貸面積は約7万4000㎡で、地上4階地下1階建て。駐車場台数は約2900台。
モールのコンセプトは「Life Partner Mall」―Feelrich Lifestyle,LifeFeel”Omotenashi”―~笑顔があふれるおもてなしとモールで過ごす楽しい生活スタイルをご提案します」
特長のひとつは、イオンモール最大規模となる1万5000㎡の食ゾーンの充実。飲食の1階ゾーンには、世界の食を集めた「ワールドグルメ」、2階ゾーンでは、中華料理にこだわった「チャイナグルメ」、3階ゾーンは、大型フードコートを設ける。
2つ目は日本式の「笑顔があふれるおもてなし」。接客教育のほか、優秀従業員表彰制度を導入し、気遣いの行き届いた「おもてなし」を目指す。
3つ目は、人気の日系ブランドの展開。
武漢市初出店となる「FLAXUSTOKYO」や「E-hyohenworldgallery」をはじめ、「JINS」や「earthmusic&ecology」「NITORI」「UNIQLO」など、日本発の人気専門店を多数集積する。
モールの核店舗としてイオン武漢金銀潭店が出店。さらにアンカー店舗として、1階にはユニクロ、MJ-STYLE、2階にはニトリ、HOTWIND、3階にはシネマCGV、孩子王(キッズワン)を配置する。専門店総数は約200店。
運営管理はイオンモール(株)。したがってイオンモールが進めるユニバーサルデザインの採用や、LED照明、緑化駐車場、空調負荷低減施設の導入など環境へも配慮した店舗となっている。従業員数は2300名(イオン武漢金銀潭店は300名)。
イオンの中国における事業展開は着々と進んでいる。2014年12月19日には、グループ11社で、ショッピングセンター14モール、総合スーパー店舗は44店、スーパーマーケットは19店の展開となる。
法人名 | 合計 | GMS | スーパーマーケット | モール型SC |
イオンストアーズ香港 | 13 | 8 | 5 | – |
広東イオン | 17 | 12 | 5 | – |
青島イオン東泰 | 9 | 8 | 1 | 6 |
イオン華南 | 10 | 9 | 1 | 2 |
イオン華東 | 1 | 1 | – | – |
北京イオン | 5 | 5 | – | – |
イオン湖北 | 1 | 1 | – | – |
マックスバリュ広州 | 3 | – | 3 | – |
マックスバリュ青島 | 2 | – | 2 | – |
マックスバリュ江蘇 | 2 | – | 2 | – |
イオンモール(中国) | – | – | – | 6 |
中国事業計 | 63 | 44 | 19 | 14 |
アジアシフトを掲げるイオンにとって、中国市場の深耕は大きな課題。グループ企業各社が、競って中国市場に進出しているが、中国市場自体は成長過程であるから、スーパーマーケット業態よりも、総合業態や大型ショッピングセンターが適している段階であることは間違いない。
どんな国でも、小売業態の発展段階は、マーケットの成熟度と強く関係している。まず、一般庶民のための市場ができる。一方で高所得階級のための百貨店が発達する。一般庶民が豊かになってくると、百貨店の代替機能として大衆向けの百貨店が登場する。それが総合スーパーやハイパーマーケット、日本でGMSと呼ばれる業態だ。この時、食品スーパーマーケットは残念ながら、成り立たない。大衆の欲求は生活全般に向いているからだ。その後、消費が成熟してから、食品スーパーマーケットがじわじわと成長してくる。中国市場はいま、ハイパーマーケットの時代で、スーパーマーケットにはちょっと早すぎる。だから香港など成熟したところでは、スーパーマーケットが成り立ちやすいが、湖北省ではショッピングセンターや総合スーパーが適している。
イオンの判断基準もここにあるのだろう。しかし中国の成長・成熟は想像を超えたスピードを持っている。いつ、どこから、中国のスーパーマーケットがブレイクし始めるのか。その判断が今、一番重要な鍵を握る。
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