JCペニーnews|マービン・エリソンCEO退任してロウズCEOに転職
全米チェーンストアランキング37位のJCペニー。取締役会議長およびCEOのマービン・エリソンが、突然、職を辞任して、チェーンストア9位で、ホームセンター第2位のロウズのCEOに就任する。ロウズのホームページで発表された。
JCペニーCEOの辞任は6月1日、ロウズCEOの就任は7月2日。何ともドライで電撃的な転職だが、エリソンにとっては階段を一つ登った感じだ。
エリソンは、2014年にJCペニーに入って、CEOを務めた。それまでは、ホームセンター第1位のホームデポに12年所属して、ホームデポの国内エグゼクティブ・バイスプレジデントだった。アメリカの産業界でもまだまだ多くはないアフリカ系アメリカ人のトップマネジメントとして有名だ。
JCペニーは、日本では「ゼネラルマーチャンダイズストア」業態とされるが、実は「ディスカウントデパートメントストア」で、シアーズと並ぶ老舗チェーンである。5月5日で終わった第1四半期は、総収益が26億7000万ドル(1ドル100円換算で2670億円)で、前年同期比マイナス4.3%。既存店売上高は0.2%増とやや回復したものの、純損失が7800万ドル。前年第1四半期は1億8700万ドルの赤字だったから、こちらも流血がちょっと納まった感じ。
この第1四半期決算に対するエリソンのコメント。
「全体的には現在の戦略が効果を表し始めています。アパレル、ビューティ、ホームのカテゴリーが成長しており、不調の競合他社(シアーズのこと)から市場シェアを獲得しています」
財務状況が安定してきている。そこでシアーズやトイザらスなどが閉店した跡への出店を積極的に進めている。特にシアーズは、全米で350店だが、過去3年で100店舗が閉鎖された。つまりJCペニーが勝利したことになる。
エリソンは、この再建プログラムに直接関与して、成長路線に転換する兆しが見えていた。JCペニー広報部は「辞任は2日前に知らされた」と述べている。ロウズの現CEOロバート・ニブロックはすでに引退を表明している。
JCペニーは1902年、ジェームズ・キャッシュ・ペニーによって創業された老舗チェーンストアである。そのモットーは「商売のゴールデンルール」。「さらば、すべて、人にせられんと思うことは、人にもまた、そのごとくせよ」(新約聖書マタイ福音書7章12節)だが、エリソンの今回の態度はゴールデンルールに沿ってはいない。