ベストバイ「価格ポジショニング戦略」で復活

業績低迷に苦しんでいた世界最大の家電チェーンストア、ベスト・バイ。

bestbuy_20130821

会社建て直しのプロとして知られるヒューバート・ジョリー氏がCEOに就任してから1年。そのリストラ効果が現れている。

 

20日に発表した2014年度第2四半期決算は、純利益が2億6600万ドル(約266億円、1ドル100円換算)で、前年同期の1200万ドル(約12億円)から大幅増となった。

 

ジョリーCEOの前職はマッキンゼーの経営コンサルタント。ベスト・バイの膿を出すために「Renew Blue」と呼ばれる広範なリストラ策を実行する。全体で7億2500万ドル(約725億円)のコスト削減を目指すが、すでに年間にして3億9000万ドル(約390億円)分のコストを絞り出した。

 

ジョリーCEOはこの1年の間に、マネジメントの簡素化や人員削減、店舗閉鎖などを果断に実行。欧州事業からも撤退した。一方で、人材育成やウェブサイトの改善など投資も行ってきた。

 

何よりも、ジョリーCEOが「価格」の問題に手をつけたことが大きい。ベスト・バイの販売価格はこれまで、オンライン小売業者のアマゾンなどと比較して高かった。これが「ショールーミング」の影響を大きく受ける原因となっていた。ショールーミングとは、お客がリアル店舗で商品を調べて、その後、同じ商品をより安く販売しているウェブサイトで購入する行為をいう。

 

今年2月からはプライス・マッチング政策を強化しており、競合のオンライン小売業者19社よりも購入金額が高かった場合、購入後15日以内ならばその分を返金するという施策も実施している。

 

「誰よりも安く売るという意味ではない」とするジョリーCEO。狙いは顧客の心の中に適切な「価格イメージ」をつくることだ。

これはつまり、価格のポジショニングを構築するということ。
ポジショニング戦略である。

 

ベスト・バイのターンアラウンドの成功は、日本の家電量販店にも示唆を与えることになる。

 

検索キーワード: ベスト・バイ 決算 リストラ ショールーミング プライス・マッチング

関連カテゴリー

海外 最新記事

一覧

最新ニュース

一覧