メイシーズnews|’18年通期売上高250億ドル/純利益激減で大量リストラ発表

米国最大の百貨店メイシーズが2019年1月期の第4四半期および通期決算を発表した。

第4四半期の売上高は84億5500万ドル(1ドル100円換算で8455億円)で、前年同期比マイナス2.5%とホリデー商戦は振るわなかった。既存店売上高は直営店でプラス0.4%、ライセンス店での販売を含めても0.7%のプラスだった。営業利益は10億5000万ドル(1050億円)でマイナス15.7%、純利益は7億4000万ドル(740億円)でマイナス44.9%と約半分に落ち込んでしまった。「前年度の第4四半期が非常に好調だったため、われわれの期待値よりも低い結果となった」とJeff Denette CEOは語る。

2018年2月から2019年1月の通期決算は、売上高が249億7100万ドル(2兆4971億円)で、前年比0.1%の微増。既存店売上高は直営店でプラス1.7%、ライセンス店も含めるとプラス2.0%だった。一方、営業利益は17億3800万ドル(1738億円)でマイナス6.8%、純利益も11億0800万ドル(1108億円)でマイナス29.2%で終了した。

このように業績は低迷したものの、2018年度に掲げた「ノーススター戦略」の進捗状況は、好調に推移した。余談だが、メイシーズのロゴの赤い星は北極星(ノーススター)がモチーフとなっている。

「ノーススター戦略」は5つの要件で構成される。

①ロイヤルティ:ロイヤルティプログラムを充実させたことにより、プラチナ会員の支出額が10%増加。新入会員が300万人以上加わった。

②アウトレット業態「Backstage」:120店以上の店内に、アウトレット業態「Backstage」をオープン。通常店内に設けられた「Backstage」の平均購入額は、店舗全体の平均購入額より5%高かった。

③eコマース:BOPS(Buy Online Pickup in Store=店内在庫をオンライン購入し、店頭で受け取るサービス)の拡大と、BOSS(Buy Online Ship to Store=取引先、他店舗、物流倉庫にある商品を指定店舗に納品し、店頭で受け取るサービス)機能を開始した。また全店舗にピックアップ・返品受付カウンター「At Your service (アット・ユア・サービス)」が設けられた。

④Vendor Direct(取引先の直接納品):オンライン通販「macys.com」において、取引先が直接納品する「ベンダーダイレクトプログラム」を拡張したことにより、オンラインSKUが約2倍になった。

⑤Growth50(改装戦略):施設、備品、品揃え、カスタマーサービスなどをアップグレードしたメイシーズの改装店、50店舗では、通常店よりも売上高の伸びが上回った。

また、メイシーズは「ノーススター戦略」の一環として、2019年度に年間1億ドル(100億円)の経費を節減する構造改革案を発表した。AP通信によると、この経費削減には約100人のバイス・プレジデントのリストラも含まれる。ただし、この「バイス・プレジデント」とは日本でいう副社長ではなく、エリアマネージャーやストアマネージャーなどを指す。

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