メイシーズnews|125店舗閉鎖を含む中期3カ年計画と2019年度暫定業績発表

全米チェーンストアランキング18位の最大手百貨店メイシーズ (オハイオ州シンシナティ、ジェフリー・ジェネットCEO)は、2019年度第4四半期の暫定業績と、成長戦略となる3カ年中期計画を発表した。

5つの主要項目に分かれた中期計画は、⑴顧客関係の強化、⑵品質の高いファッションの育成、⑶デジタル・ビジネスの拡大成長、⑷店舗網の最適化、⑸コストベースの見直しが中心となる。

⑴顧客の生涯価値の構築、パーソナライゼーションおよび収益化プログラムの加速、ロイヤルティプログラムの拡大に注力する。

⑵利益率の高いプライベートブランド・ビジネスに、より焦点を絞って、10億ドルのブランドを4つ構築する。

⑶現在、デジタル・ビジネス全体で年間60億ドル以上の売上げを生み出している。特にメイシーズ・コム (Macys.com)は全体的な営業利益に貢献しており、今後もウェブサイトとモバイルアプリへの投資を続ける。また、メイシーズ・コムの本部をサンフランシスコからニューヨークに移転し、アトランタ部門を拡大してテクノロジー・ハブ機能をもたせる。

⑷現在閉鎖中の約30店舗を含め、今後3年間で生産性の低い約125店舗を閉鎖する。2019年1月の決算段階で、全店舗数は867店だが、そのうちの15%を閉鎖することになる。

⑸2020年にさらに100店舗をアップグレードする。そのために実店舗の改装、マーチャンダイジング戦略・技術改善・人材・ローカルマーケティングへの投資を行う。同社は今までに150店舗においてこの施策を実施して奏功し、その150店が2019年度の全店舗の売上げの約50%を占めている。

この戦略によって2022年末までに15億ドルの節減を図る。そのうち6億ドルが2020年度に実施される見込みだ。一方、リストラ経費は4億5000万ドル~4億9000万ドルと予測されており、その大部分が2019年度に計上される。

2019年度第4四半期の暫定結果は、売上高83億ドル(1ドル100円換算で8300億円)、既存店売上高0.5%マイナス、直営売場だけの業績は0.6%マイナスだった。通年では売上高245億ドル(2兆4500億円)、既存店売上高は0.7%マイナス、直営売場だけならば0.8%マイナスだった。

2020年度は売上高236億ドル~239億ドル、既存店売上高2.5%~1.5%マイナス、調整後1株当たりの利益2.45~2.65ドルを予測している。

なお、同社は1994年から本社機能をニューヨークとオハイオ州シンシナティに置いてきたが、これをニューヨークに統合する。

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