ウォルグリーンnews|ビレッジMDと提携し店舗にクリニックを設置
米国ドラッグストアチェーン最大手のウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(イリノイ州ディアフィールド、ステファーノ・ペッシーナCEO兼副会長)は 7月8日、今後5年間でウォルグリーンの500〜700の既存店舗にクリニックを設置すると発表した。
医療サービスを提供するビレッジMD(イリノイ州シカゴ)に10億ドルを投資して資本業務提携し、ビレッジMDが運営する「ビレッジ・メディカル」をウォルグリーンの店舗に併設する。
同社はすでに昨年11月からテキサス州ヒューストンの5店舗でこの併設店舗を実験的に運営していたが、その結果が良好だったことから、今回の大規模な拡大発表となった。
ビレッジ・メディカルには、9つの検査室と待合室があり、プライマリ・ケア医師と薬剤師が常駐する。個々の施設では、ビレッジMDが提携している3600人以上の地域の医師が診療を担当する。往診と遠隔診療によって年中無休で24時間のケアサービスを行う。また、ここではさまざまな種類の健康保険を使うことができる。
米国では個人が医療保険に加入する際に、プライマリ・ケア医を指定しなければならない。さらに、専門医を受診するには事前にプライマリ・ケア医の診療を受けることを要求されることも多い。そのため、ビレッジ・メディカルのようなサービスを提供する施設が身近にあると有難い。
ビレッジ・メディカルの半分以上は、ヒューストンなどの政府指定の医療が不足している地域に配置される。クリニックはウォルグリーンの店内に設置され、そのほとんどが3300平方フィート(約93坪)の広さとなるが、場所によって9000平方フィート(約253坪)の大型施設も計画されている。
この提携によって、ウォルグリーンの戦略的優先項目の一つである「ネイバーフッド・ヘルス・デスティネーション」の実現は大きく前進する。
米国ではウォルマートが4つのプライマリケア・クリニックを開設している。「ウォルマートヘルス」と呼ばれるクリニックは、その特徴的な低コストを強調している。また、保険会社エトナを買収したCVSヘルスは2021年末までに1500の「ヘルスハブ」をオープンする計画だ。「ヘルスハブ」には簡易診療所「ミニッツクリニック」が併設されている。