ウォルマートのオンライン最低価格保証Savings Catcherプログラム実験
ウォルマートのSavings Catcher。
「セービングス・キャッチャー」と読む。
ウォルマートの店頭で商品を購入する。レシートを貰う。
そのレシートナンバーと日付、金額をコンピュータやタブレット、さらにスマートフォンを使って、ネット上で登録する。
そうすると、地域の競合他社との価格比較をしてくれる。
ウォルマートよりも安く提供している商品があり、差額が出ると、
その金額分がギフトカードで提供される。
つまりは、米国小売業界ではじめて行われた新しい「最低価格保証」制度。
店鋪来店を促すPromotionなので、店舗での購入が対象となる。
ウォルマート・ドット・コムでの購入商品は当てはめられない。
昨年の夏に4都市で一部の顧客に対する実験が始められ、
今年2月下旬から、7都市でオープン・サイトで実験拡大中。
テキサス州ダラス、カリフォルニア州サンディエゴをはじめ、
ジョージア州アトランタ、
ノースカロライナ州シャーロット、
アラバマ州ハンツビル、
ケンタッキー州レキシントン、
ミネソタ州ミネアポリス。
ダラスで対象になる企業は、同業態のターゲットを筆頭に、
クローガー、トムサム(セーフウェイ)、HEB,アルバートソンのスーパーマーケット、
さらにダラーゼネラル、ファミリーダラー、ダラーツリーのダラーストア、
そしてなんとハード・ディスカウンター・アルディも含まれている。
地域によって、対象企業が異なるが、ほぼ有力チェーンストアすべてがターゲット。
もうこの政策は、全米の全地域に適用されるに違いない。
チーフ・マーチャンダイザー&マーケティング・オフィサーのダンカン・マックノートンのコメント。
「食品と家庭消耗品の8万アイテムが対象。
カスタマーはマネーとタイムのセービングを求めている。
それをITテクノロジーによって実現させる」。
最低価格保証はウォルマート自身、「プライスマッチング政策」として実施している。
日本でもオーケーなどが同じ手法を採用している。
最近はアマゾン・ドット・コムをはじめとするEコマースへの対抗措置として、
多くのチェーンが最低価格保証プログラムを導入するようになったが、
ウォルマートはさらに一段とそれを強化して、
Savings Catcher実験に持ち込んだ。
店頭での「プライス・マッチング」は、顧客がわざわざ他社の広告を持っていかねば、
差額を割戻ししてくれないが、このプログラムは自動的に差額がギフトカードで返金される。
ウォルマートに対するロイヤルティが上がるし、買上げ点数も上がる。
もちろん自動的に差額が返金されるから、店頭プライス・マッチングよりもがさらに、
確実に粗利益がダウンする。
この先、全店での展開に持ち込むか。
ウォルマートの通常の営業状態が悪化すれば、それはエスカレートするだろうし、
営業状態が良化すれば、実験で終わるだろう。