全米第1位のスーパーマーケット・クローガー43四半期連続既存店増収、凄い!!
全米小売業第2位にして、全米スーパーマーケット・チェーン第1位のクローガー。
今年度の第2四半期決算で、43四半期連続の既存店売上高増収を記録。
あと1四半期で11年連続となる。
その間にリーマンショックの世界的経済危機などもあったから、これは凄い。
2014年度第2四半期の売上高は253億ドル、なんと前年同期比11.6%の増加。
1ドル100円換算で2兆5300億円。
既存店売上高はガソリン販売を除いて4.6%の増加。
純利益(日本でいう営業利益)は3億4700万ドル(347億円)、9.5%増加。
さらに1株当たり利益は70セント、これは16.7%の増加。
今年の1月に名経営者と謳われたデビッド・ディロンからCEOを引き継いだロドニー・マクマレンは、3つの政策が奏功したとコメント。
第1は「素晴らしいショッピング・エクスペリエンス(買物経験)と顧客サービス」。
第2は「ナショナル・ブランドとプライベート・ブランドによる充分な品揃え」。
そして第3は「エブリデーロープライスと販促オファー」。
クローガーの55%の店舗はウォルマートと競合している。
その競争環境で43四半期連続既存店増収。これが凄い。
つまりクローガーはウォルマートとの闘い方を知っているのだ。
そのクローガーは食品小売業として4つのフォーマットを展開している。
①スーパーマーケット
②小型ハイパーマーケットのマーケットプレイス
③マルチデパートメントストア(ハイパーマーケット)、
④価格倉庫型店舗(バナーはフード4レス)
スーパーマーケットの86%は、店内にファーマシー(薬局)を設置するフード&ドラッグストア。
1999年から2003年までに製造と物流において3億8000万ドルの経費節減を行ったうえで、エブリデーロープライスを展開。これがウォルマート対策の有効政策となった。
敵の強みを消す作戦。
その後、2004年末までに1億2000万ドルを費やして、新店開発と既存店リモデルを行った。
これが第2の方策。
既存店リモデルを続けない限り、既存店の連続売上げ増は実現できない。
ロドニー・マクマレンは「顧客との繋がりを改善すると同時に、企業の成長計画を進め、実績をあげることで、株主に対しても好ましい結果を出しています」と発言して、2014年度通年では、1株当たり利益の予測を、3ドル22セントから3ドル28セントへと6セント分上方修正した。
食品小売業界はアメリカでも著しい成長を遂げているわけではない。
二番手のセーフウェイはサーベラスに買収されてしまった。
その中でクローガーは、着実な業績を上げつつ、株価もそれを反映している。
エブリデーロープライスを断行しつつ、クラブカードによるフィリークエントショッパーズ・プログラムの展開。さらに「カスタマー・ファースト」戦略。
それがクローガーの躍進を支えている。
本格的なディスカウンターへの対策として、目先の売場作戦や異常値販売など試みてもまったく意味はない。自ら、一定のシェアを獲得し、地域シェアを高めたうえで、エブリデーロープライスを展開し、敵の強みを消しつつ、その一方で品揃えを充実させ、同時に「顧客第一」を貫徹する。
それができなければ、ホールフーズやトレーダー・ジョー、スプラウツのように、ディスカウンターとは正面から闘わない。
考え方としては、これしかない。
目先を変えるあの手この手の作戦は、目先の売上げをつくる売上げ至上主義でしかない。
それを指導しているかに見えるコンサルタント自身の目先の成果しか生み出さない。
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