米国アルディが2020年までの大規模改装・増床計画を発表
ドイツ発祥のハードディスカウントストアチェーン「アルディ」は米国市場において2020年までに16億ドルを投資し、1300カ所以上の店舗を改装、増床すると発表した。アルディは、現在35州で1600店舗以上を展開している。
アルディではすでに2018年までに650カ所の新店舗を開設するという投資計画を発表している。これに加えて、既存店活性化を行うというもの。
アルディはリミテッドアソートメント(品揃え限定型)ストアとして、1976年にアメリカ進出を果たした。40年を経過しているが、急速に成長したのは1000店を超えてからのこの10年ほど。
改装は顧客が求める利便な買物経験を提供するために、農産品、乳製品、ベーカリーの部門を強化し、グルテンフリー、オーガニックアイテム等を拡大するというもの。とくに生鮮品に注力する。
また、アルディではもともとPB比率が高いが、近年、オーガニックブランド「シンプリー・ネイチャー」や、プレミアム・ベビー用品の「リトル・ジャーニー」ブランドに新商品を積極的に投入しており、これらはお客の支持を得ている。こうしたPBのニューラインを重要な商材と位置づけ、改装後は展開を強化していく。
改装に当たっては、モダンなデザインに加え、吹き抜けの天井、自然採光、環境に配慮したリサイクルの建築資材、省エネの冷蔵機器、LED照明を使い、ボックスストアとしての基本を踏まえつつ、よりお客の快適性を重視した店づくりを志向する。
同社CEOのジェーソン・ハートは、「この多額の投資はアルディの顧客がより満足するために費やされる。商品面では青果、食肉、ベーカリーなど生鮮商品を拡大し、また、自社PBブランドの食品から、さらにMSG(化学調味料)、人工着色料、部分水素化油などを取り除いた。変わらないのは、購入頻度が高いグロサリーは、お客さまのお金を節約させることだ」と述べている。
また、「お客さまはアルディが競合他社よりも優れている理由があることを知っている。お客さまは品質を備えた手頃な価格で買った食品を家庭で食べさせることに喜びを感じている。例外的な品質とエブリデーロープライスの組み合わせ。これが私たちがアメリカで最も成長できたリテーラーのひとつである理由だ」とも語る。
アルディには毎月4500万人のお客が来店する。これは2013年当時と比較すると60%の成長になる。
一方で、増加し続けるお客からの要望は、より多様化している。全米に拡大するにつれ、クレジット・カードの取り扱い、オーガニックなど健康的な生鮮食品の拡大など、ビジネスは変化をみせている。
今回の改装・増床計画は、アルディにとってアメリカ市場の重要性を示している。
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