アマゾンnews|2018年度にウォルマートを抜いて衣料品販売トップに躍進

米国モルガン・スタンレーの調査と予測。

アマゾン・コムが今年度中に、米国アパレルファッションの小売販売において、現在のトップ企業のウォルマートを抜いて、市場シェア首位になる。

現時点のトップがウォルマートであることも意外かもしれないが、ウォルマートは食品でトップ、衣料品でトップ、住関連でトップと大部門ではいずれもトップだ。

現時点のアパレル販売のランキングとシェアが面白い。
第1位 ウォルマート 8.6%
第2位 アマゾン 7.9%
第3位 ターゲット 4.8%
第4位 コールズ 4.5%
第5位 TJX 4.3%

ウォルマートとターゲットはディスカウントストアやハイパーマーケット(日本でいう総合スーパー)業態を展開する。コールズはジュニアデパートメントストアと自称しているが、商業センサスの分類ではディスカウントデパートメントストアである。そしてTJXはオフ・プライスストア。アマゾンはオンラインリテーラーだが、これもある意味でディスカウント業態であるから、米国の衣料品販売の上位はディスカウント業態によって占められることになる。

「ディスカウント=マス」の構図がアパレル分野でも、成り立っている。

第6位 メイシーズ 4.1%
第7位 ギャップ 4.0%
第8位 コストコ 3.7%
第9位 ノードストローム 2.9%
第10位 ロス・ドレスストアズ 2.7%

百貨店のメイシーズが6位、アパレル専門店チェーンのギャップが7位。百貨店のノードストロームが9位。8位をメンバーシップホールセールクラブのコストコ、10位をTJXと同じ業態のオフプライスストアのロスが占める。

ここまでの衣料品販売のベスト10チェーンは、7社がディスカウント業態の企業である。

以下、20位まで。
第11位 JCペニー 2.3%
第12位 リミテッド.ブランズ 2.1%
第13位 アセナ・リーテイル 2.0%
第14位 バーリントン・コートファクトリー 1.3%
第15位 ディラーズ(百貨店) 1.2%
第16位 アメリカン・イーグル・アウトフィッターズ 1.1%
第17位 シアーズ 1.0%
第18位 アーバン・アウトフィッターズ 0.8% アバクロンビー&フィッチ 0.8%
第20位 チコスFAS 0.7% ラルフ・ローレン 0.7% エクプレス 0.7% ルルレモン・アスレティカ 0.7%

かつての王者シアーズが17位の1.0%、JCペニーが11位の2.3%。そしてかつてアパレルの首位だったリミテッドが12位の2.1%。さらに一時期、大人気だったアバクロンビー&フィッチも18位の0.8%。

この2017年度に大きくシェアを減らし、ランキングを下げた企業は、シアーズ、メイシーズ、アセナ・リーテイル、リミテッド.ブランズ、ラルフ・ローレン、チコスだった。

アマゾンは今年、昨年度から1.5%増えて、9.4%のシェアになる。ウォルマートの伸びは1%以下だろうから、確実にアパレルのトップ企業になると予測できる。

その最大の理由は、アメリカの最大の人口を占めるミレニアル世代(1980年~2000年に生まれた世代)のオンライン購入の増加による。ミレニアル世代以降の若者は、eコマースで衣料品を買う。かれらに人気の高いブランド、たとえばナイキやカルバン・クラインのカジュアル・ウェアはアマゾンをはじめとするオンラインリテーラーから購買されている。

モルガン・スタンレーの予測では、2022年には米国の百貨店業態全体の衣料品シェアは、2006年の24%から8%まで減少する。アマゾンはネット上にアパレルブランドを並べて、テナントが販売する。ディスカウント商品だけでなく、高級品・高額品もその中に含まれる。

また、アマゾンはプライム会員が1億人を超え、アパレルのプライベート・ブランドも売上げを伸ばしている。これもシェア向上に寄与している。

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