マックスバリュ東海のザ・ビッグ、山梨県に3店連続出店

この9月、山梨県にイオンのザ・ビッグが3店舗オープン。
周辺の他社が大いに迷惑を被っている。

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イオンで山梨県を担当するのはマックスバリュ東海。
本社は静岡県駿東郡長泉町、
神尾啓治社長。

先週金曜日の9月19日にはザ・ビッグ甲府和戸店。
9月5日には2店舗同時オープンで、ザ・ビッグ甲西(こうさい)店とザ・ビッグ韮崎店。

あっという間に3店舗の増加で、マックスバリュ東海は山梨県内で11店舗。
内訳は、食品ディスカントストアのザ・ビッグ9店舗、マックスバリュ2店舗。

ザ・ビッグ甲府和戸店と甲西店は山梨県内で2店舗の食品スーパーマーケット「プラスバリュー」を展開していた㈱深澤商事の物件。

同社は、山梨県甲州市に本社を持つ企業だが、4月1日付けで東京地方裁判所へ自己破産を申請し倒産した。東京商工リサーチによる負債総額は約7億7000万円。

同社の設立は1981年で、県南のアルプス市に「プラスバリュー甲西店」、甲府市に「ビックプラスバリュー甲府和戸店」を展開していた。地元の野菜をはじめとする生鮮食品を特徴とした典型的な地場スーパーマーケット。

しかしザ・ビッグなどのディスカウント攻勢に影響を受け、そのうえ今年2月には山梨県の大雪で、一時営業休止が重なり、決定的に資金繰りが逼迫。経営者の深澤進代表取締役は、事業継続が困難と判断し、自己破産の申請をして、倒産。

その物件をマックスバリュ東海が取得し、今回のザ・ビッグ甲府和戸店とザ・ビッグ甲西店の連続出店にこぎつけた。

一方、ザ・ビッグ韮崎店は、㈱やまとのフジミモール店の後に入った物件。
1992年、韮崎市若宮にフジミモールショッピングセンターがオープンした
核店舗はくろがねやとやまと。そのやまとフジミモール店が撤退し、ザ・ビッグ韮崎店がオープン。
くろがねやスーパーデポ韮崎店と2核のショッピングセンターとして甦った。敷地内には別棟でサンドラッグが入る。

道路を隔てた対面にはオギノ韮崎ショッピングセンターが競合する。

やまとは山梨県内にスーパーマーケットを12店舗展開するローカルチェーンだが、この物件は業績不振で、撤退。

かくてザ・ビッグは、9月に3店舗を居抜きの状態で連続出店。

当然ながら居抜き物件は不動産コストが極めて低い。だから何よりも、食品ディスカウントストアの出店対象として適している。しかも山梨県で11店舗の準ドミナントエリアを構築して、トータルコストの低減に挑む。

マックスバリュ東海は、静岡県を中心に、東は神奈川県、西は愛知県、そして山梨県と4県に133店の店舗網を拡大するリージョナルチェーンとなっている。

そのうちザ・ビッグは2014年9月現在、静岡県10店舗、神奈川県1店舗、山梨県9店舗の計20店舗、マックスバリュの店名の店は静岡県53店舗、神奈川県11店舗、山梨県2店舗、愛知県4店舗の計70店。

それ以外のバナーは、小型店のマックスバリュエクスプレス、高質スーパーマーケットのマックスバリュプライムとグラッテ、さらにフード&ドラッグのコンボと旧キミサワ。

つまりマルチ・フォーマット戦略。   


2014年2月期連結決算で営業収益(売上高)2018億4900万円。これは前年同期比20.3%の伸び率。経常利益は32億5000万円で、同マイナス10.6%ではあるものの、急成長を遂げて勢いがある。

もちろんイオングループの中部圏の中核企業。

 

その最新のザ・ビッグ甲府和戸店の特徴は、広報資料では7つある。
まず第1に「買いやすい価格へのこだわり」。
商品補充回数軽減や店内作業の効率化を図って、ローコストオペレーションを追求。

第2は「迫力の売場展開」。
迫力ある大量陳列の売場を店内随所に設置、顧客の視認性を高めるとともに、見やすく分かりやすい店舗づくりを志向する。

第3は、ディスカウントながら顧客の生活シーンに対応した品揃えをする。

そして第4は「水・木曜市」。この週中で本体価格81円均一商品を積極展開。

さらに第5に、毎月第2日曜日の「ザ・ビッグデー」には、すべての顧客対象に、一部対象外の商品があるものの、ほとんどの店内商品5%引きを展開する。

さらに第6として、毎月20日、30日は「お客さま感謝デー」として、イオンカードやワオンカードでの支払いで5%引きを基本とする。

さらに第7番目に、毎月15日には、「G.G感謝デー」を設けて、55歳以上の「G.GWAONカード」、また65歳以上の「ゆうゆうWAONカード」での支払いに対しては会計時に5%割引きをする。

店舗面積1370㎡、レジ台数8台。駐車台数87台、駐輪台数36台。
営業時間は午前7時から午後9時45分。
従業員数はパート・アルバイト8時間換算人員で54人、うち正社員は6人。

イニシャルコストもオペレーションコストも抑えきったディスカウント店舗。
競合他社には迷惑をまき散らしているが、周辺顧客がどう受け止めているか。

その評価が今後の客数となって表れてくる。

〈結城義晴〉

 

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