3月外食統計|全店売上高11.2%増/土日多い曜日まわり・歓送迎会需要増
(一社)日本フードサービス協会(東京都港区、近藤正樹会長)が2024年3月の「外食産業市場動向調査」を発表した。調査企業数は232社、店舗数は3万6261店舗。ファストフードは2万1156店舗で全体の58.3%を占める。
3月の全体売上高は前年同月比111.2%、コロナ前の19年比でも113.5%と好調。店舗数は99.3%と微減しているものの、客数は106.6%、客単価は104.4%で全体では前年より2ケタ増となった。
前年より土日の数が2日多い曜日まわりとコロナ禍の無い歓送迎会シーズンとなったことが好調の要因だ。また、円安傾向の継続や、北陸新幹線延伸開業などもあり、インバウンドを中心に観光需要が好調だった。
業態別では、ファーストフード業態が引き続き好調で、売上げ110.7%、19年比では127.2%。「洋風」は、割引率の高いキャンペーンと新商品が好調で110.4%。「和風」はCM効果などによって116.1%。「麺類」は、テレビ露出の効果に加えて、前年より低い平均気温の中で温かいメニューが好調だったことから113.9%となった。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、桜の開花が先送りとなり、持ち帰り需要が伸び悩んだところもあったが、回転寿司は比較的堅調だったため、102.9%となった。
ファミリーレストラン業態は売上げ113.0%、19年比では104.1%。「洋風」は土日の多い曜日まわりで集客が堅調で、テレビへの露出効果もあり、113.6%。「和風」は寒い日の鍋料理が好調で112.5%。「中華」は各種春のキャンペーンが好評で、111.3%。「焼き肉」は、団体客、食べ放題客、訪日外客など集客好調で113.6%となった。
パブ・居酒屋業態は、5年ぶりにコロナ禍の無い歓送迎会シーズンとなり、宴会も一部で数十人規模のものがみられるほど回復し、売上げ106.2%だった。ただし19年比では69.8%と、コロナ前の水準にはまだ戻っていない。
ディナーレストラン業態は引き続き訪日外国人の利用増加と客単価上昇により、売上げ111.6%、19年比で99.7%となった。
喫茶業態は観光地を中心にインバウンド需要が堅調。百貨店や観光地、地下街、路面店も好調で、売上げ110.0%となった。