アリババnews|中国EC最大手が中国最大小売業「サンアート・リテール」買収
11月20日、中国最大の eコマース会社「アリババ集団(Alibaba Group Holding Ltd.)」が、中国最大のハイパーマーケットチェーン「サンアート・リテール」を買収することを発表した。買収額は約29億ドル(約3250億円)で、サンアートの株式36%を取得する。また今回の契約の一環として、フランスの「オシャン・リテール(Auchan)」もサンアートへの出資比率を同じく36%に引き上げる。
(出所:Bloombergより)
台湾の「潤泰集団」とフランスの「Auchan(オシャン)」の合弁会社であるサンアート。2016年12月末時点で、「大潤発(RTマート)」と「欧尚(オーシャン)」という2つのバナーのハイパーマーケット446店舗を運営している。
一方、最大のライバル企業であるウォルマート・チャイナは中国国内でスーパーセンターや会員制倉庫型店のサムスクラブなど計424店舗(2017年5月末時点)を展開している。2016年7月、ウォルマート・チャイナは中国国内のEC強化を図るため、国内大手 eコマース会社「JD.com」と提携した。今回のアリババによるサンアートの買収は、そのウォルマートへの対抗策である。
リアル店舗を持たないアリババにとって、中国の広範囲で店舗網および物流網を持つサンアートへの出資メリットは大きい。逆にサンアートにとってもアリババのECサイト構築や在庫・顧客データ管理などのテクノロジーを手に入れることができる。まさに今年8月にアメリカで行われたアマゾンによるホールフーズ買収劇を彷彿とさせる。
アリババは11月11日に開催された「独身の日」セールにおいて、当日24時間の取引額が過去最高の1682億元(約2.9兆円)をたたき出した。昨年の1207億元(約2.6兆円)を約40%も上回った。
ちなみにアマゾンジャパンの2016年年間売上高は1.1兆円。これを見ると、中国オンライン市場の消費パワーがいかに巨大な存在になっているかがわかる。
絶好調のアリババと優良ハイパーマーケット企業のサンアート・リテールのシナジー効果はすぐに発揮されるに違いない。
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