12月百貨店売上速報|年末年始の外出機会増加で需要好調/4社とも伸長
主要百貨店4社が12月の売上高速報を発表した。既存店売上高は三越伊勢丹百貨店は前年比110.3%、大丸松坂屋百貨店は107.2%、阪急阪神百貨店は112.3%、高島屋は110.1%だった。
(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、細谷敏幸社長)の国内百貨店売上げ合計は前年同月比で110.3%。伊勢丹新宿本店の店頭売上げは113.7%、三越日本橋本店は109.3%、三越銀座店は123.0%、伊勢丹立川店は109.1%、伊勢丹浦和店は103.2%。首都圏5店で既存店113.1%と二桁増で好調だった。伊勢丹新宿本店は2022年4月以降、21カ月連続でコロナ前の2018年度を上回っている。
伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店では、引き続き高付加価値商品が売上げを牽引した。外出機会が増え、冬物衣料品ではジャケット、セーター等、雑貨ではハンドバッグ、財布、靴、そして宝飾や化粧品などの売上げが伸長した。
また免税売上げは11月に続き、国内百貨店計(既存店)で単月の過去最高売上高を更新した。全体傾向と同様にラグジュアリーブランドのハンドバッグや宝飾・時計など高付加価値商品に関心が見られる。
J.フロントリテイリング(株)(東京都中央区、好本達也社長)は、大丸松坂屋百貨店合計が既存店前年同月比107.2%。博多大丸、高知大丸を含む百貨店事業全体でも107.2%となった。
12月度の売上高は、訪日外国人売上の好調もありラグジュアリーブランドや化粧品が好調だったことに加え、菓子・レストランなどクリスマス、年末年始に関する売上も伸長したことなどから、大丸松坂屋百貨店合計では対前年7.2%増、関係百貨店を含めた百貨店事業合計では同7.2%増となった。
店舗別では、心斎橋店、札幌店が対前年2割超の増、その他9店が対前年増となるなど、15店舗中11店舗が前年実績を上回った。
大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高は、対前年167.5%増(客数157.7%増、客単価同3.8%増)だった。
エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区、荒木直也社長)の(株)阪急阪神百貨店(大阪市北区、山口俊比古社長)は、既存店前年同月比112.3%。阪急本店では115.1%、阪神梅田本店が111.7%だった。
12月中旬の気温上昇や前年好調の反動もあり、冬物ファッションの売上がやや伸び悩むも、ギフトニーズやインバウンド客の売上も押し上がり、婦人ファッションや服飾雑貨、化粧品、ラグジュアリーカテゴリーの売上高前年比は2桁の伸びを示した。
若い世代を中心に一緒にクリスマスギフトやプレゼントを選ぶ方やカップルが増加。また、23日と24日が土日だったこもとあり両日の購入が顕著。24日は、初売りも含めて2023年の単日として最大の来店客数となった。パーティーシーンの回復もありケーキの予約は113%と好調で、ホールケーキが人気。100万円以上の高額品の売上高は、前年の約1.3倍と高い伸びを示した。
売上高の2018年対比は120%(インバウンドを除く国内売上高対比106%)、阪神梅田本店は124%(同125%)と引き続き高い伸びを示した。
免税売上高は7ヶ月連続で単月として過去最高を更新した。
(株)高島屋(大阪府大阪市、村田善郎社長)の既存店売上高は、高島屋単体の10店舗で前年同月比110.1%、国内百貨店子会社3社を加えると109.1%だった。
12月度の店頭売上高は、国内顧客・インバウンドとも好調に推移したことから、2022年・2018年を上回った。高額品を中心に単月で過去最高を更新したことに加え、年末年始の外出機会の増加に伴い、化粧品やジャケット、ワンピースなどにも動きが見られた。免税売上高は、前年比111.2%増、2019年比90.4%増と大きく伸長し、 全体を押し上げた。
店舗別売上高では、大阪店、京都店、泉北店、日本橋店、横浜店、新宿店、玉川店、岡山店が前年実績を上回った。
商品別売上高(同社分類による14店舗ベース)では、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、子ども情報ホビー、スポーツ、美術、サービスが前年実績を上回った。