9月百貨店売上速報|4社とも増収/厳しい残暑も売上げ好調
主要百貨店4社が9月の売上高速報を発表した。既存店売上高は三越伊勢丹百貨店は前年比103.5%、大丸松坂屋百貨店は107.9%、阪急阪神百貨店は103.2%、高島屋は104.8%だった。
(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、細谷敏幸社長)の国内百貨店売上げ合計は前年同月比で103.5%。伊勢丹新宿本店の店頭売上げは114.0%、三越日本橋本店は102.4%、三越銀座店は98.4%、伊勢丹立川店は97.4%、伊勢丹浦和店は94.8%。首都圏5店で既存店107.2%となった。
識別顧客を中心に、引き続き高付加価値商品への関心が見られた。ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドを中心に今から着ることのできるアイテムが好調だった。またお得意さまの招待会「丹青会」や「逸品会」に加え、伊勢丹新宿本店の「イタリア展」や三越日本橋本店での「フランス展」など顧客関心度の高いイベントの開催で新規顧客の来店も促進した。
J.フロントリテイリング(株)(東京都中央区、好本達也社長)は、大丸松坂屋百貨店合計が既存店前年同月比107.9%。博多大丸、高知大丸を含む百貨店事業全体でも105.8%だった。
9月度の売上高は、休日数が対前年1日のマイナス影響があったものの、外商売上が好調を持続したこと、また訪日外国人売上が前年実績を上回ったことなどから、前年実績を上回った。
店舗別では、15店舗中5店舗が前年を上回った。免税売上が好調を持続している梅田店のほか、外商売上が好調な名古屋店が対前年2桁増となった。
大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は、キャラクターグッズなどのIPコンテンツが好調を持続したほか、化粧品を含む消耗品が大きく売上を伸ばしたことなどから、対前年11.8%増(客数15.3%増、客単価同3.0%減)となった。
エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区、荒木直也社長)の(株)阪急阪神百貨店(大阪市北区、山口俊比古社長)の売上高は前年同月比103.2%、阪急本店が99.2%、阪神梅田本店が134.4%だった。
阪急本店の大型改装に伴う売場閉鎖のマイナス影響が継続するなか、国内売上高は阪神梅田本店が牽引し前年を上回った。また、免税売上高は引き続き前年並みの水準まで回復し、全店売上高も前年を上回った。
阪神タイガースが2年ぶりにリーグ優勝したことで、阪神百貨店各店と神戸阪急では8日からの1週間(神戸阪急は3日間)、優勝記念セールを実施。阪神梅田本店では、2022年4月の建て替えグランドオープン以降、過去最高となる週間の売上高と来店客数を記録した。また月間での売上高は前年の約3割増と高伸した。
(株)高島屋(大阪府大阪市、村田善郎社長)の既存店売上高は、高島屋単体の10店舗で前年同月比104.8%、国内百貨店子会社3社を加えても104.4%だった。
9月度の店舗別売上高は、大阪店110.7%、日本橋店103.8%、横浜店105.2%、玉川店116.3%、EC店106.8%と5店舗で前年実績を上回った。
商品別売上高(同社分類)は紳士服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、スポーツ、リビング、美術、食料品が前年実績を上回った。