ファーストリテイリングnews|「届けよう、服のチカラ」プロジェクトが受賞
(株)ファーストリテイリング(山口県山口市、柳井正会長兼社長)が 2013年から活動を続けている、「届けよう、服のチカラ」プロジェクトが、経済産業省「第11回キャリア教育アワード大企業の部」の最優秀賞である経済産業大臣賞、および文部科学省「第9回 青少年の体験活動推進企業表彰」 の審査委員会優秀賞 をあわせて受賞した。
「届けよう、服のチカラ」プロジェクトは、ファーストリテイリングが UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)と取り組む、小・中・高校生対象の参加型学習プログラムで、今年10周年を迎える。
今回受賞した経産省の「キャリア教育アワード」は、産業界による優れた教育支援活動の取り組みと、その効果を広く社会で共有し、奨励・普及・促進することを目的として実施されている。
「届けよう、服のチカラ」プロジェクトは、3つの経済産業大臣賞のうち、総合的に最も優れた取り組みとして選出さた。選出理由として、「服に焦点化し、具体的な活動をベースに社会問題に触れ、それを自分事化していくというプログラムの明瞭さ」「海外への展開・普及性」「数多くの実践からの教材やプログラムの改善が重ねられていること」などが挙げられた。
また、文科省の「青少年の体験活動推進企業表彰」は、社会貢献活動の一環として青少年の体験活動に関する優れた実践を行っている企業を表彰し、青少年の体験活動の推進を図ることを目的として実施されている。今回はその優秀企業の中から、「審査委員会優秀賞」に選出された。
「届けよう、服のチカラ」プロジェクトは 2001年の「フリースリサイクル活動」の開始がきっかけだった。2006年からは、全商品を対象にした「全商品リサイクル活動」を実施している。また同年から、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)と協働し、回収した服を世界各国の難民・避難民に寄贈する活動をスタートさせた。
この活動を続けるなかで、難民の約半数を占める子どもたちの服が慢性的に不足していることが分かった。そこで2013年からは、国内外の学校に呼びかけ、子どもたちに世界の難民問題について理解を深めてもらう出張授業を実施し、不足している子ども服を回収する「届けよう、服のチカラ」プロジェクトが発足した。2022年に10年目を迎え、これまでにのべ2829校、約30万人の子どもたちが参加し、約420万着の子ども服を回収し、世界の難民の人々の生活の一助となってきた。
このプロジェクトでは、子どもたちが社会問題を自分事として捉え、自ら考え行動することを重視する。同社社員による出張授業やオンライン授業を通じて、服の多様な価値や難民問題について学習した後、子どもたちが主体となって、校内や地域で着なくなった子ども服を回収する。回収した服は、子どもたちの手によって仕分けられ、UNHCRを通して難民キャンプに届けられる。その後、難民の人々が実際におかれている環境や寄贈の様子を、フォトレポートとして、ファーストリテイリングから各校に報告している。