U.S.M.Hnews|「SEEDコンソーシアム」設立し都市環境野菜事業を構築
ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(株)(東京都千代田区、藤田元宏社長)は 2022年6月に(株)プランテックス(東京都中央区、山田耕資社長) と野菜工場「THE TERRABASE(ザ・テラベース) 土浦」を立ち上げ、1年間、安定稼働を続けてきた。
そして今回、この取り組みをさらに発展させ、国内の都市環境への取り組みの一環として都市環境野菜の市場拡大を目的に、「持続的な都市環境野菜サプライチェーン構築(Sustainable urban Environment
vegetable supply chain Development: SEED) コンソーシアム」を設立した。SEED コンソーシアムは共創パートナーの参画を募り、都市環境野菜事業モデルの未来デザイン構築を目指す。
<THE TERRABASE 土浦のレタス栽培棚の様子>
環境問題が日々深刻化するなか、私たちの日常生活では環境への配慮がますます求められている。こうした状況に対し USMHは「安全・安心」「健康的」「環境にやさしい」をコンセプトとしたプライベートブランド「Green Growers(グリーングロワーズ)」を立ちあげた。プランテックスの工場内の完全に密閉された棚で水耕栽培によって栽培されたレタスを Green Growers レタスとして2021年から販売を開始し、2022年11月には米国企業 BEYOND MEAT社の植物由来代替肉「BEYOND MEAT®」をブランドラインナップに加え、都市環境に取り組むブランドとして市場展開を図っている。
このように Green Growers を進化させていくなかで、プランテックスと協働して立ち上げたのが、植物工場「THE TERRABASE 土浦」だ。この工場では、USMHが商品開発から生産、流通、販売まで一貫して関わるSPFモデルによって、収穫から24時間以内に店頭に並ぶ超高鮮度レタスの供給体制を構築している。プランテックスの技術によって完全密封、完全機械化された植物工場内で栽培されたレタスは洗わずに食べられ、栄養価も高い。この工場では USMHグループの約200店舗へ毎日レタスを出荷している。
「THE TERRABASE 土浦」にはプランテックスが独自開発したさまざまな最先端技術が採用されている。最大の特徴である世界初の密閉型栽培装置は、装置自体を密閉する構造により、常識を超えるような環境制御が可能である。植物の成長に影響を与える光・空気・水に関する20種類の環境条件(気温・湿度・気流速度など)を精密に制御することで、植物がもつパフォーマンスを最大限に引き出すことができる。また、装置ごとに環境条件を設定することができるので、例えば、レタスとバジルなど複数の品種の野菜を、それぞれ最良な条件で育てることができる。
また、栽培装置は、独自開発の植物成長制御システムの指示により自動的に稼働する。装置内の各種環境条件や植物の生育状況(光合成速度や蒸散速度等)は常時リアルタイムでモニタリングされており、植物の成長不良を予防し、早期発見することができる。
<モニタリングシステムの様子>