ファミマnews｜バッテリー交換式EVトラックを使用した配送実証を開始

(株)ファミリーマート(東京都港区、細見研介社長)は、伊藤忠商事(株)(東京都港区、石井敬太社長)、いすゞ自動車(株)(神奈川県横浜市、南真介社長)、横浜市(山中竹春市長)と協業し、国内初となる車両の左右両側からバッテリーを同時交換できるステーションと、これに対応したバッテリー交換式「エルフEV」をファミリーマート約80店舗への商品配送に使用する実証試験を行う。2025年11月から横浜市内で実験を開始する。

今回の実証実験では、現場の業務効率化と車両運行の継続性向上について検証する。バッテリーを両サイドから同時に交換できる仕様に改造した「エルフEV」を3台配備し、横浜市内のファミリーマート約80店舗でルート配送を行う。この実証用車両はバッテリー交換ステーションとの通信機能を搭載しており、車両がステーションに入庫すると自動で満充電のバッテリーへと交換が始まり、従来のディーゼル車の燃料給油と同等の時間でバッテリー交換が完了する。

これまでファミリーマートは、伊藤忠商事、いすゞと連携し、固定式EVトラックによる配送実証や、環境省委託事業でのバッテリー交換式小型EVトラックと交換ステーションを活用したファミリーマート店舗向け配送実証を実施してきた。また、本配送実証では、バッテリー交換式小型EVトラックの利便性や実用性（電力費用・航続距離・温度管理）などを検証し、今後の導入拡大について検討していく。

この実証実験で、いすゞはバッテリー交換ステーションと車両の開発・設置・管理・実証プロジェクト管理、事業性・脱炭素効果検証を行う。伊藤忠商事は実証プロジェクト管理、事業性・脱炭素効果検証、横浜市は実証用地に関する調整、関係法令等に関する調整、ファミリーマートは実証事業のフィールドデータ提供を行う。

日本政府は2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにするカーボンニュートラルを目指しており、物流業界においても脱炭素化が急務となっている。24時間営業のコンビニエンスストアへの配送は昼夜問わず連続して行われるため、車両の高い稼働率が求められている。配送用トラックの電動化には充電に伴うダウンタイムが大きな課題であり、短時間で満充電のバッテリーに交換できるバッテリー交換式車両の活用が有効な解決策とされている。