ファーストリテイリングnews|2兆2905億円・営業利益9.1%増の過去最高益

(株)ファーストリテイリング(山口県山口市、柳井正会長兼社長)の2019年8月期の連結決算は、売上収益が2兆2905億円 (前期比7.5%増)、営業利益が2576億円 (9.1%増) と3期連続で過去最高益を達成した。海外ユニクロ事業の好調な業績とジーユー事業が大幅な増収増益を牽引した。

売上総利益率は前期比で0.4ポイント低下したが、売上高販管費率は0.1ポイント改善。税引前利益は2524億円 (4.0%増)、親会社の所有者に帰属する利益は1625億円 (5.0%増) の増収増益だ。

設備投資は852億円 (ファイナンス・リース含む)、前期比158億円増。国内ユニクロ事業に136億円、海外ユニクロ事業に316億円、ジーユー事業に90億円、グローバルブランド事業に27億円、システムなどに280億円を投資。海外ユニクロ事業、ジーユー事業の出店投資や、有明プロジェクトに関わる IT投資、ユニクロ店舗のセルフレジに関わる投資などが増えた。

同社は、「情報製造小売業」として世界No.1のアパレル小売企業となることを中期ビジョンに掲げる。そのなかで海外ユニクロ事業、ジーユー事業、 eコマースに注力した。なかでもeコマース売上高は、グローバルで2583億円で、売上構成比は11.6%にまで拡大している。

国内ユニクロ事業は、売上収益が8729億円 (前期比0.9%増)、営業利益は1024億円 (13.9%減) の増収減益だ。通期の既存店売上高 (eコマースを含む) は、暖冬の影響を受けて上期は苦戦したが1.0%増の増収だった。とくに eコマース売上高は832億円と32.0%増で、売上構成比は前期の7.3%から9.5%へ上昇している。

海外ユニクロ事業では、グレーターチャイナ、東南アジアが事業の柱として成長基調にある。売上収益は1兆0260億円 (前期比14.5%増) と初めて1兆円を突破した。営業利益は1389億円 (16.8%増) で、大幅な増収増益だ。売上収益営業利益率は13.5%と高い。

ジーユー事業は、低価格ファッションブランドとしてのポジショニングを確立しつつある。売上収益は2387億円 (12.7%増)、営業利益は281億円 (139.2%増) と、過去最高の業績を達成した。既存店売上高も増収だ。オーバーサイズのスウェット、ニット、Tシャツは数百万点の販売を記録するヒット商品になった。早期発注や素材の集約によって原価率が改善したことに加えて、値引率が低下したことから売上収益対比の営業利益率も11.8%と、6.2ポイント改善した。

グローバルブランド事業の売上収益は1499億円 (2.9%減)、営業利益は36億円 (前期は41億円の赤字) の減収増益だ。

2020年8月期は売上収益2兆4000億円 (前期比4.8%増)、営業利益2750億円 (6.7%増)、税引前利益2750億円 (8.9%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益1750億円 (7.6%増) を見込む。

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