イオン 中間決算で過去最高の営業収益
イオンが昨7日、2014年2月期第2四半期の決算説明会を開いた。
説明者は代表執行役副社長・グループCOO兼グループ財務最高責任者の森美樹さん。
営業収益は全事業セグメントで増収となり、2兆9818億円(前年同期比9.3%増)と過去最高を記録。総合スーパー(GMS)事業(1兆3255億円、同3.5%増)や総合金融事業(1326億円、同50.2%増)、ディベロッパー事業(1064億円、同8.8%増)の業績が堅実だったことに加え、イオンビッグマレーシアなどの新規連結事業の業績が寄与した。
イオンビッグマレーシアは、昨年10月末にイオンがフランス・カルフールからマレーシア事業を買収して連結化した。カルフールのマレーシア事業子会社でハイパーマーケット事業を運営していたMagnificient Diagraph Sdn.Bhd.から社名変更した企業だ。
営業利益は前期に比べ10億円増の737億円(同1.4%増)。しかし、マックスバリュを中心としたスーパーマーケット事業(36億円、前期差▲60億円)、ミニストップやまいばすけっとなどの戦略的小型店事業(24億円、同▲7億円)、さらに中国事業(▲15億円、同▲18億円)については成長のための先行投資が続き、減益となった。
スーパーマーケット事業では2014年2月期に400店舗の活性化を目標としていて、すでに200店舗で活性済み。活性化後の既存店では売上高が3%プラスになっている。
戦略的小型店事業では、まいばすけっとが400店舗を超え、上半期で営業黒字化した。ミニストップはコンビニエンスストア業界の熾烈な競争の中にあるが、ドラッグストアとの融合業態店舗「れこっず」を32店舗まで拡大し(2013年2月末は24店舗)、先行投資を行っている。
中国事業も出店費用の増加で減益となったものの、既存店売上高は順調に回復している。
経常利益と当期純利益については、M&Aによる負ののれん発生益の計上が前期で終了したことから、それぞれ770億円(同▲6.5%)、235億円(同▲15.9%)で減益だった。
メインのGMS事業は、2014年2月期上半期が前期に比べて33億円の増益となり好調。これは『月刊商人舎』2013年9月号で特集したとおり、「イオン葛西店」で取り組んでいる既存店の活性化が奏功したためだ。イオン葛西店では活性化によって昨対119%を達成。同じく昨年11月にリニューアルオープンした「イオン板橋店」でも昨対114%と良い数字を出している。
プライベートブランド(PB)の「トップバリュ」も好調だ。イオンリテールのPB売上高は上半期で1800億円、売上構成比で20%に達した。グループ全体のトップバリュの上半期売上高も3556億円(前年同期比12.4%増)と増加。
品質にこだわった「トップバリュ・セレクト」は200品目から230品目に拡大し、売上高も昨年比で170%と大きく伸びている。2013年度末までに300品目にする計画だ。
また、競争力のある価格を特長とする「トップバリュ・ベストプライス」は、400品目から486品目に拡大。売上高は昨年比120%とこちらも好調。
ベストプライスは今年度末までに600品目まで増やす。つまり、これは消費増税対策。森副社長は「PBを中心にお客様にご迷惑をかけることのないように、できる限り価格を安く提供する努力をしていきたい」と述べ、消費増税後に予想される厳しい消費環境に、PB比率を向上させることで対応することを明らかにした。
2月期決算企業の中間決算が発表されるにつれ、各社の消費増税対応も明らかになってきた。
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