イズミnews|’20年2月期年商7443億円1.7%増・経常利益8.9%減の増収減益
(株)イズミ(広島県広島市、山西泰明社長)が、2020年2月期の本決算を発表した。
営業収益7443億4900万円(前年比1.7%増)、営業利益318億8800万円(9.6%減)、経常利益319億7900万円(8.9%減)、純利益199億5300万円(15.1%減)の増収減益となった。
営業利益率、経常利益率ともに4.3%。
主力の小売事業の営業収益は7229億1000万円(1.5%増)、営業利益は266億0700万円(12.0%減)。国内における新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、不要不急の外出を避ける動きが強まり、来店客数が減少した。また、消費増税後の買い控えも継続しており、既存店売上高は0.9%減少した。
商品面では、品質・価格の両面で競争力のある品揃えを追及するMD戦略「いいものを安く」の領域の拡大を進めた。とりわけ、デフレマインドの強まる顧客の暮らし向きに対しては、購買頻度の高いコモディティを中心に価格対応することで集客を図った。
昨夏は差別化カテゴリーの惣菜が好調であったことに加え、お中元などのギフト目的の購買が進んだが、天候不順のため、シーズン衣料の販売が低調だった。
10月の消費増税前の駆け込み需要に対しては、寝具などの耐久消費財の買い替えや、酒類・日用雑貨のまとめ買いを喚起した。消費増税後に想定された買い控えに対しては、価格対応や歳時企画などによる集客策を打ち出した。
コスト面では、商品仕入れにおいて、引き続き原価低減とロスの抑制を推進して、売上総利益率の改善に努めた。また、販売費および一般管理費は経費抑制に努めたが、人件費と新設店舗の創業経費などが増加した。それによって、営業利益は前年を下回った。
店舗面では、ショッピングセンター業態として、5月にゆめタウン小野田(山口県山陽小野田市)を閉店した一方、6月にゆめタウン福山(広島県福山市)を開業した。食品スーパーマーケット業態では、4月にゆめマート日田(大分県日田市)、ゆめマート三田尻(山口県防府市)を、5月にはゆめマート南小野田(山口県山陽小野田市)を、7月にはゆめマート青山(北九州市八幡西区)をそれぞれ出店した。また、6月にゆめタウン光の森(熊本県菊池郡)を、9月にゆめタウン高松(香川県高松市)をリニューアルオープンした。
小売周辺事業の営業収益は949億4900万円(2.0%減)、営業利益は43億5100万円(4.0%増)。(株)ゆめカードが電子マネー「ゆめか」およびクレジットカードの新規会員獲得を進め、商業施設「ゆめタウン」などに入居するテナントをはじめとした外部加盟店での取り扱いを拡大することで収益の拡大を図った。これにより、「ゆめか」の累計発行枚数は2月末時点で前期より59万枚増加して811万枚に達した。