ファーストリテイリングnews|第3Q売上収益1兆5449億円、3~5月は赤字
(株)ファーストリテイリング(山口県山口市、柳井正会長兼社長)の2020年8月期第3四半期の連結業績は、新型コロナの影響が大きく、計画を下回って減収減益だ。
売上収益は1兆5449億円(前年同期比15.2%減)、営業利益が1323億円(46.6%減)と減収減益。新型コロナの影響により各セグメントで減収減益となったことに加え、赤字店舗の固定資産や使用権資産に減損損失152億円を計上したことで大幅減益となった。
第3四半期3カ月間だけ見ると、売上収益は3364億円(39.4%減)、営業利益は43億円の赤字だった。
国内ユニクロ事業の第3四半期3カ月間は、売上収益が1352億円(35.5%減)、営業利益は75億円(74.0%減)と大幅な減収減益。既存店売上高は、新型コロナの影響で3月下旬から5月のゴールデンウィークにかけて、最大311店舗を臨時休業した結果、前年同期比34.0%減となった。一方で、Eコマース売上高は好調で47.7%の増収だ。9月~5月の9カ月累計の営業利益は791億円(18.1%減)。
海外ユニクロ事業も第3四半期3カ月間は売上収益が1322億円(45.0%減)の大幅減収となり、営業利益14億円の赤字。前年同期は363億円の黒字だったから、大幅な減益となった。海外店舗も新型コロナの影響で3月から多くの店が臨時休業した。また営業再開が想定より遅れたこともあって、業績は計画を大幅に下回っている。ただし国内同様、海外ユニクロ事業全体のEコマース売上高は増収と好調に推移。デジタル配信の強化、無料配送の拡大などが功を奏した。
グレーターチャイナは大幅な減収減益も、計画より速いペースで回復して、5月は増収増益を達成。韓国、その他アジア・オセアニア地区は大幅減収、営業利益は赤字。北米、欧州は大幅な減収、赤字幅は拡大。9月~5月までの9カ月累計の営業利益は518億円(58.5%減)となった。
ジーユー事業は、第3四半期3カ月間の売上収益が551億円(19.1%減)、営業利益は46億円(61.8%減)。3月下旬から5月ゴールデンウィークにかけて、最大192店舗を臨時休業したこともあり、既存店売上高は同27.0%の大幅減収だ。9カ月累計の営業利益は204億円(22.2%減)。
そしてグローバルブランド事業は、第3四半期3カ月間の売上収益が132億円(63.2%減)、営業利益は67億円の赤字(前年同期は14億円の黒字)と、計画を下回った。新型コロナにより店舗が臨時休業した影響が大きく、セオリー事業、プラステ事業は減収、営業利益は赤字。コントワー・デ・コトニエ事業は赤字幅が拡大した。9カ月累計の営業利益は60億円の赤字(前年同期は46億円の黒字)と大幅減益となった。
2020年8月期の連結業績は、第3四半期3カ月間の売上収益が計画を下回ったため、通期の売上収益は1000億円の減額修正。事業利益は国内ユニクロ事業、ジーユー事業、グレーターチャイナのユニクロ事業が想定を上回るペースで回復しているため、直近予想から変更せず。営業利益は、9カ月累計で減損損失152億円を計上、第4四半期でも減損リスクを見込むため、150億円の減額修正。
その結果、通期は売上収益が1兆9900億円(前期比13.1%減)、事業利益は1500億円(43.4%減)、営業利益は1300億円(49.5%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は850億円(47.7%減)を見込んでいる。