セブン&アイnews|2023年2月期営収11兆円超/米国コンビニ効果で最高益

(株)セブン&アイ・ホールディングス(東京都千代田区、井阪隆一社長)の2023年2月期決算は営業収益が11兆8113億0300万円(対前年増減率35.0%増)、営業利益は5065億2100万円(30.7%増)、経常利益4758億8700万円(32.7%増)、当期純利益2809億7600万円(33.3%増)と営業収益、経常利益とも過去最高となった。2021年に約2兆円を投じて買収した米国コンビニSpeedway(スピードウェイ)事業が通年で稼働、ガソリン売上げが貢献したことによる。

国内コンビニ事業の営業収益8902億9300万円(前年同期比102.0%)、営業利益は2320億3300万円(103.9%)。

中核企業のセブン‐イレブン・ジャパンは「高付加価値商品の品揃え拡充」「取り扱いアイテム数増加を図る売場レイアウトの変更」「イベント感を演出する販売促進」の3つの施策を融合させた継続的な取り組みが成果を挙げた。また、スマートフォンで注文された商品を最短30分で指定の場所に届けるデリバリーサービス「7NOW」は年度末時点で約3800店舗まで取扱店舗を拡大した。

セブン‐イレブンは、直営店と加盟店の売上げを合計したチェーン全店売上げが5兆1487億4200万円(104.0%)。利益面では燃料費調整単価高騰による水道光熱費の増加は続いているものの、既存店売上げが前年を上回り、営業利益は2328億7300万円(104.4%)となった。

海外コンビニ事業では7-Eleven, Inc.が、米国市場での労働力不足や物流障害による供給制約等の問題が一部顕在化する中で安定した店舗運営と収益性の高いオリジナル商品(フレッシュフード、専用飲料、プライベートブランド商品)の開発と販売の強化、約5700店舗で対応しているデリバリーサービス「7NOW」の取り組み強化等の施策を積み重ねた。

海外における自営店と加盟店の売上げを合計したチェーン全店売上高は10兆4423億6000万円(161.5%)。営業利益3965億6800万円(176.4%)。

スーパーストア事業の営業収益は1兆4491億6500万円(80.0%)、営業利益は1億2107万円(64.4%)。総合スーパーである(株)イトーヨーカ堂は、不採算店舗の閉鎖や人員の適正化、IT活用による生産性改善等の再成長戦略を推進した。

期中は、人流回復や前年の営業時間短縮及び入店者数制限の反動等でテナントの売上げが伸長し、テナント含む既存店売上げは前年を上回ったが、食品の荒利率悪化や燃料費調整単価高騰による水道光熱費の増加等により、営業利益は4億0800万円(25.2%)。

スーパーマーケットの中核であるヨークベニマルはコロナ禍発生以降、好調に推移してきた食品売上げが減少に転じたことを主因に既存店売上げは前年を下回ったが、店舗における惣菜の製造、販売を担うライフフーズと2022年3月1日付で合併したことで商品荒利率は改善し、営業利益は180億1300万円(122.5%)の増益となった。

百貨店・専門店事業は営業収益は4637億3900万円(65.1%)、営業利益は34億3400万円(前年同期は81億5300万円の営業損失)。百貨店は、前年の営業時間短縮や入店者数制限からの反動による衣料品売上げの回復およびラグジュアリーブランド品の販売好調により既存店売上げが前年を上回った。

また、レストランでは前年の営業時間短縮や酒類提供制限からの反動、外食ニーズの回復等により既存店売上げは改善傾向であるものの営業損失となった。そごう・西武の発行済株式の全部をFortress Investment Group LLCの関連事業体たる特別目的会社である杉合同会社へ譲渡する契約を締結したが、まだ実行は延期されている。

金融関連事業の営業収益は1942億9500万円(99.9%)、営業利益は371億4000万円(98.9%)。セブン銀行の年度末時点の国内ATM設置台数は2万6889台(前年比695台増)となった。

各種キャッシュレス決済に伴う現金チャージ取引件数の伸長と、預貯金金融機関の取引件数が持ち直したこと等により、1日1台当たりのATM平均利用件数は101.1件(前年差4.4件増)。同行における現金及び預け金は、ATM装填用現金を含めて1兆0243億円。

その他の事業における営業収益260億4400万円(128.0%)、営業損失は4億6600万円(前年同期は1億1500万円の営業損失)となった。

2024年2月期の業績予想では営業収益が11兆1540億円(94.4%)、営業利益5130億2100万円(101.3%)、経常利益4800億8700万円(100.9%)。米国コンビニにおけるガソリン売上げが低下傾向にあることから減収ながらも、増益を見込んでいる。

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