ファストリnews|年商2兆7666億円20.4%増・営利28.2%増/海外が牽引

(株)ファーストリテイリング(山口県山口市、柳井正社長)が2023年8月期の本決算を発表した。

2022年9月1日~2023年8月31日の連結業績は、売上収益2兆7665億5700万円 (前期比20.2%増)、営業利益3810億9000万円(28.2%増)と大幅な増収増益となった。

金融収益・費用は、利息がネットで315億円のプラス、外貨建資産などの換算による為替差益が253億円発生したことで、ネットで568億円のプラスとなった。この結果、税引前利益は4379億円(5.9%増)、当期利益は2962億円(8.4%増)と、3期連続で過去最高の業績だった。

売上収益に対する営業利益率は13.8%。

国内ユニクロ事業は、売上収益が8904億円(前年同期比9.9%増)、営業利益は1178億円(9.2%増)。既存店売上高(eコマースを含む)は通期で7.6%増となった。通期のeコマース売上高は1338億円(2.3%増)、売上構成比は15.0%。

上期は気温が低く推移し、ヒートテックインナーなどの冬物商品の販売が好調で、前年同期比10.0%の大幅な増収となった。下期は、エアリズムインナー、感動ジャケット、タックパンツなどの販売が好調に推移し、4.7%の増収だった。

売上高総利益率は、前期比1.0ポイント低下した。これは追加生産分に使用するスポットの為替レートが大幅な円安となったことで、上期の売上総利益率が前年同期比2.2ポイント低下したことによる。下期の売上総利益率は、当第4四半期連結会計期間3カ月間に値引率と原価率が改善したことで、前期比0.4ポイント改善した。

売上高販管費率は、前期比0.6ポイント改善した。これは主に、好調な販売により賃借料比率、物流費比率などが改善したことによる。

海外ユニクロ事業は、売上収益1兆4371億円(前期比28.5%増)、営業利益2269億円(43.3%増)と大幅な増収増益だ。円安が進んだことで、売上げ、営業利益とも押し上げられているが、現地通貨ベースでも増収、大幅な増益をを達成し、過去最高の業績となった。

地域別では、グレーターチャイナは売上収益が6202億円(15.2%増)、営業利益が1043億円(25.0%増)と大幅な増収増益となった。上期は新型コロナウイルス感染症の影響で販売に苦戦したものの、下期は業績が想定以上に回復し、通期で過去最高の業績を達成した。

韓国と東南アジア・インド・豪州地区の売上収益は4498億円(46.1%増)、営業利益は782億円(36.4%増)と、大幅な増収増益。とくに韓国はコア商品の情報発信を強化したことが奏功し、増収増益につながった。上期は顧客層が拡大したことに加え、旅行需要が回復したことで、コア商品を中心に大幅な増収増益を達成した。下期は大幅な増収だったが、今年は一定の値引き販売を行ったことに加え、インドネシアのセーフガードの影響などで売上総利益率が低下したため、営業利益は若干の減益となった。

北米の売上収益は1639億円(43.7%増)、営業利益は211億円(91.9%増)と大幅な増収増益。戦略的に売り込むべき商品の数量が十分にあり、情報発信を強化したことで、期を通して好調に推移した。

欧州の売上収益は1913億円(49.1%増)、営業利益は273億円(82.5%増)と、大幅な増収増益。欧州の顧客にLifeWearのコンセプトが浸透し、顧客層が拡大している。

ジーユー事業は、売上収益2952億円(前期比20.0%増)、営業利益261億円(56.8%増)と大幅な増収増益となった。品番数を絞り込み、マストレンド商品の数量を戦略的に準備したことが奏功し、期を通して好調に推移した。特にヘビーウェイトスウェット、スーパーワイドカーゴパンツ、プルオンパンツといった商品の販売が好調だった。また、大幅な増収となったことに加え、経費コントロールを強化したことで、売上高販管費比率が改善し、営業利益率は前期比2.1ポイント改善した。

グローバルブランド事業は、売上収益1416億円(前期比15.0%増)、営業利益5億円の黒字(前期は2億円の赤字)と、前年の赤字から黒字に転じた。営業利益は30億円の赤字(前期は7億円の赤字)と、赤字幅が拡大したが、これはコントワー・デ・コトニエ事業で、不採算店舗の閉店による減損損失と事業再編に伴う費用を計上したため。セオリー事業は、アジア事業と日本事業が牽引し、大幅な増収増益となった。特に、コア商材を中心に訴求した結果、ジャケット、パンツ、ドレスなど外出需要にマッチした商品の販売が好調だった。プラステ事業は増収、赤字幅は縮小した。コントワー・デ・コトニエ事業は減収、赤字幅は拡大した。

2024年8月期の連結業績予想は、売上収益3兆500億円(10.2%増)、営業利益4500億円(18.1%増)、税引前利益4800億円(9.6%増)、当期利益3100億円(4.6%増)を見込む。

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