アスクルnews|第3Q売上高3501億円4.7%増・経常利益19.7%増
(株)アスクル(東京都江東区、吉岡晃社長)が2024年5月期第3四半期の決算を発表した。
2023年5月21日~2024年2月20日の業績は、売上高3500億6300万円(前年同期比4.7%増)、営業利益124億9300万円(0.6%増)、経常利益122億9000万円(19.7%増)、四半期純利益161億4600万円(127.6%増)だった。
営業利益率は3.6%、経常利益率は3.5%。
アスクルのeコマース事業の柱はBtoB事業と、「LOHACO」を核とするBtoC事業だ。両事業を合計したeコマース事業の売上高は3432億1500万円(前年同期比4.9%増)だった。売上総利益は、生活用品の売上高の増加や一部商品の価格改定により売上総利益率が改善し、867億7100万円(8.5%増)と大幅な増益となった。販売費及び一般管理費は、主力商品の一部の価格改定や配送バーの変更による顧客のまとめ買いが進んだ影響により、一箱当たり売上単価が上昇し、売上高配送費比率が減少した。
一方で、投資を行ってきた新アスクルWEBサイトや「ASKUL東京DC」の稼働によりソフトウエア償却費や減価償却費が増加した。また、BtoB事業のサービス名称や戦略商材の取扱い認知度向上を目的としたテレビCMの実施とそれに連携したインターネット広告出稿の増加により、売上高販管費比率が前年同期比0.4ポイント増加した。以上の結果、販売費及び一般管理費は741億7000万円(6.8%増)となり、営業利益は126億0100万円(19.6%増)となった。
BtoB事業の売上高は、3039億1000万円(9.5%増)。新型コロナウイルス感染症対策の落ち着きにより、抗原検査キット、消毒剤などの売上げが減少したが、ペットボトル飲料や日用消耗品などの生活用品の売上げが順調に増加した。
主力商品の一部の価格改定による購入単価の上昇や、2022年7月の新アスクルWEBサイト構築に関連する一部機能(中堅大企業向けのWEBサイトであるソロエルアリーナサイト」のオープン化)のリリース効果により、アスクルサービスによる中小企業向け、中堅大企業向け売上高は、ともに増加している。2023年7月に本格稼働した新アスクルWEBサイトへの顧客の移行は、当第3四半期連結会計期間末で約3割が完了しており、2024年8月までに全ての移行が完了するように進めていく。
また、前連結会計年度末に連結子会社化した(株)AP67の事業子会社であるフィード(株)の業績が当第3四半期連結累計期間を通じて寄与したことや、連結子会社である(株)アルファパーチェスの業績が順調であることが、売上高の成長に貢献した。
BtoC事業の売上高は、393億0400万円(20.5%減)。当第3四半期連結累計期間の売上高は、LINEヤフー(株)[旧Zホールディングス(株)]のコマース事業のコスト最適化によるキャンペーン変更も影響し、減収となったが、概ね計画通り進捗した。
2023年10月に「LOHACO byASKUL(LOHACO本店)」と「LOHACO Yahoo!店」を統合し、両店舗の特長を結集した形でYahoo!ショッピング店内にリニューアルオープンした。この結果、「LOHACO」の売上高は、前年同期比で100億5400万円減収の263億6800万円(27.6%減)となり、BtoC事業合計で、前年同期比で101億6100万円の減収となった。
ロジスティクス事業の売上高は62億6500万円(2.3%減)、営業損失は1億1500万円(前年同期は営業損失1億9500万円)。ASKULLOGIST(株)の同社グループ外の物流業務受託の売上高が前年同期と同水準で推移した。価格改定により収益性は改善しており、当第3四半期連結会計期間(3カ月)においては営業損失から営業利益への転換を達成している。
その他事業の売上高は14億0600万円(7.0%減)、営業利益は2400万円(44.3%減)。嬬恋銘水(株)での飲料水の販売が上期において堅調に推移したものの、製造ラインの一時的な不具合により製造数量および販売数量が減少し、減収減益となった。